2014.01/29 ケミカルアタック(1)
ケミカルアタックという名称は現象をわかりにくくする名称である。樹脂にオイルなどの「ケミカル製品」が付着し、それにより膨潤して、あるいは樹脂内部の添加剤が物理的影響を受けて樹脂が破壊に至る現象で、何も問題が無い状態における破壊応力よりも30%以上低い応力で材料が破壊する、化学的現象というよりも物理的現象と捉えた方が良いかもしれない。
ケミカルアタックに初めて遭遇したのは小学生の頃である。プラモデル(「スーパーカー」というTV番組に登場した車)の自動車を組み立てて遊んでいたら、ギアボックスがはずれ壊れた。組み立て方法には、ギアボックスがスムーズに動くようにグリースを濡るように説明されている。そのグリースがギアボックスを支えていたボスに付着し、ケミカルアタックでボス割れを引き起こし壊れたのだ。
ギアボックスはモーターの動力をタイヤに伝える機能があり、常に応力がかかっている。ギアボックスは、ねじ釘でボスに固定されていた。今から考えると組み立て説明書が悪い、ということになる。また添付されたグリースもケミカルアタックを考慮されたグリ-スでなかった。
グリースに問題があるが、なぜ組み立て説明書が悪い、という結論をくだしたのか。ケミカルアタックの説明がされていなかったからだ。ケミカルアタックの問題は、このような問題なのだ。すなわち科学的にはケミカルアタックを起こさないグリースに変更すれば解決がつくように見える。しかし、添付されたグリース以外の油をユーザーが使用する可能性もあり、その注意を喚起するように対策を打たなければ防ぐことはできない。
すなわち科学だけでケミカルアタックを捉えると実技で失敗する問題である。それではケミカルアタックという問題はどのような問題なのか改めて考えてみる(続く)。
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