2022.01/31 高分子の分類
金属材料やセラミックスの教科書を眺めると、結晶系を基にした分類が出てくる。セラミックスでは鉱物学の本を読んでいるような感覚になる。
学生の時にある先生が、機能性セラミックスについて問われたらペロブスカイトの説明をすればセラミストのような顔ができる、と授業で言われていた。
有機材料に比較してセラミックスという学問を簡単に感じたが、実際に両者を研究してみてもやはり有機材料、とりわけ高分子は難しいと感じている。
この原因の一つは、学術に耐えうる分類法が存在しないことによる、と思っている。また材料をリバースエンジニアリングしようと分析しても、セラミックスの様に明確な分析結果を示すことが難しい。
目の前に組成も何もわからない材料を置かれたときに、セラミックスならばX線分析法で大体の推定ができ、組成分析を行ってこの推定結果と照合すれば、リバースエンジニアリングの90%は成功する。
しかし、高分子ではこのようにいかない。例えばPPS/ナイロン/カーボンのコンパウンドの分析でもリバースエンジニアリングで類似コンパウンドを開発できないことを以前この欄で述べている。
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