2022.02/18 高分子材料の寿命予測(1)
金属材料で材料力学や破壊力学の学問、形式知が体系づけられ、セラミックスフィーバーの時にセラミックスでもその確かさが確認されて、ワイブル統計が劣化予測に有効なことなど確認された。
しかし、高分子材料では線形破壊力学に当てはまらない例が出てきて、非線形破壊力学なども提唱されたが、有効な方法が無いまま、現在に至りマテリアルインフォマティクスの研究の一分野として推進されている。
劣化寿命予測について、実務ではアーレニウスプロットや時間温度換算則を用い、化学的な劣化と物理的な劣化の両面から実験室でモデル実験を行い、その材料の寿命予測を行う。
金属やセラミックスではそれがうまくいっても、高分子ではしばしば材料の寿命について品質問題を引き起こしている。例えばN社のフィルム裏蓋が壊れた事例をここで紹介している。
防湿庫の中に静置していただけで、フィルムの感光を保護する裏蓋のフックが壊れたのだ。明らかに耐久試験の失敗による設計ミスである。
機能が優れた製品を市場に送り出しているメーカーであっても、細かい品質設計技術が存在しないことは明らかで、これでは市場を失う、と心配していたら、一眼カメラ業界3位に転落していた。
写真撮影が趣味であり、長い間ペンタックスを使用してきた。某世界大会でもペンタックスカメラは1位を撮らしてくれたが、ミラーレス一眼を開発しないとのことでニコンカメラを購入した。
新品で購入して4か月目、ストロボを外した時にホットシューのバネが一緒に飛び出した。びっくりして保証書と一緒にサービスセンターに持ち込んで修理していただいたら、ストロボが古いタイプなので、とかなんとか言われた。
帰り道専用のストロボを購入し、カメラの接続部分のサイズをノギスで計測したところ、ノギスで測った限りでは古いタイプと同一だった。ちなみにペンタックスは50年近く7台愛用してきたが、サービスセンターのお世話になったことは無い。
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