2022.04/06 高分子のリサイクル
4月1日から新しい法律が施行され、高分子材料のリサイクルが促進される。そのため、高分子材料は混ぜ物ではなく単一組成が好ましい、と言われ始めた。
当方は反対に多成分高分子のポリマーアロイ技術を開発すべきと考えている。理由は、高分子はただ混ぜ合わせただけでは物性が低下するためである。
リサイクルシステムの中で単一組成の高分子を維持できれば良いが、単一組成の高分子だけで提供されている電気製品は少ない。大抵は2種以上の高分子が使用されている。
そうすると余ってくる組成が出てくる心配がある。それらはサーマルリサイクルすればよい、と言う考え方もあるが、脱二酸化炭素の観点から好ましくない。資源再利用の観点から多成分高分子のポリマーアロイ技術を開発すべきと考えている。
2成分以上のポリマーアロイで実用化されているABSあるいはPC/ABSは、組成が変化すると力学物性が大きく変化することが知られている。PC/ABSではPC含有率を80%以上にするとABSの組成が変化しても物性への影響が小さくなる。
多成分ポリマーアロイに関しては研究事例が少ないが、特許にはそのような視点の発明を見出すことができる。アカデミアの研究者がチャレンジすると面白いかもしれない。
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