2014.02/23 おからハンバーグ(1)
おからは、豆腐の副生成物で産業廃棄物として扱われている。この有効利用を考えてきたが、グルコースや、ガラクトース、マンノース、キシロースなどの複数の多糖類の混合物であり、工業材料として使用しにくい。繊維素としてパルプのような使用方法も考えられるが、その精製にコストがかかりそうである。それと臭くなる可能性がある。
最も大きな問題点は8割が水分と言われており、乾燥のためのエネルギーが大量に必要となり、省エネが必要な昨今取り扱いの難しい材料である。しかしタンパク質や脂質の乾燥重量に占める割合が44%なので食品材料として捉えたときには滋養豊富な低コスト材料になる。そこでおからを使用した鶏団子や餃子などの開発を進めてきた。
WEBにもおから利用のレシピは多数公開されているが、いずれも作ってみると今ひとつの料理である。おからドライカレーはルーを工夫すればそこそこおいしい料理となるが、その他は昔ながらの卯の花程度が無難なレシピで、おからの特徴を活かした料理のレシピは少ない。
弊社で開発した鶏団子や餃子は、おからの特性を活かした料理で家族に評判が良い。しかし鶏団子や餃子は最初からそれをゴールとして目指した料理ではなく、おからハンバーグの開発過程で生まれた副産物である。すなわちおからハンバーグとしてはあまりおいしくなかったが、開発過程で得られた配合で鶏団子や餃子を作ってみたらおいしかったのでそれぞれをゴールとして最適化した副産物である。
おからハンバーグの一番の問題点は、その柔らかさである。次に色。味と直接関係ないこの2つの要素が実はおいしさのために重要である。鶏団子はホクホク感として利用すればおいしい団子になるが、ホクホクしたハンバーグはハンバーグではない。ハンバーグはぎゅう(牛)と噛んでジューシーな断面が見えることでおいしさが完結する。また見た目の色も肉の雰囲気を壊さない色が重要である。
おからを使用した場合には、色は白っぽくなり、食感はホクホク感は良い方で卵を多くするとぱさぱさ感となってしまいハンバーグのおいしさを出すことができない。(続く)
pagetop