2022.05/05 組織の怖さ
昨日の文春オンラインに長野県上高井郡小布施(おぶせ)町の役場でこの2年間に3人の職員が自殺したという記事が公開されていた。
原因はソニー勤務後町長に就任した人物(73)にあるような書き方だった。町長はソニーの経験を役場内の組織に適用したとの反省の弁を述べていた、とある。
ニュースを読む限りではそれなりに誠実な人なのだろう。今パワハラやセクハラはじめ各種ハラスメントを無くそうという社会機運がある。
実は各種ハラスメントを無くしても組織の在り方、運営を間違えたなら自殺者だけでなく他人の業務妨害をするような悪人まで現れる(注)。
当方はゴム会社で新規事業を起業した後、組織内でいわゆる「いじめ」にあい、その極めつけが会議前になると報告資料のデータが入ったFDが壊されている、という状態まで追い詰められた。
当方の当時の状況では自殺してもおかしくないと今でも思っている。しかし、当方はドラッカーを読んでいたのでこのような組織内の問題に死なずに何とか対応していた。ただ、事件の数々を上司に隠蔽化され、にっちもさっちもいかなくなって自殺ではなく転職している。
ハラスメントを解決しても、研究所と言う特殊な組織風土で発生する人間特有の残酷さはリーダーが気を配りマネジメントしない限り無くならない。
そもそも組織運営は平凡な人間に非凡なアウトプットを出させる仕組みが最良であるとされている。ゆえに民間の厳しい手法をぬるま湯だった職場にそのまま持ち込んだなら、一人や二人自殺者が出るのは当然と考えてマネジメントにあたるべきだった(そのままではなく役場に適するようなマネジメントを工夫すべきだった)。
今ロシアとウクライナの戦争がつぶさにニュースで報じられている。平和ボケしている日本人には理解できないロシア兵士の残虐性だが、それが戦争と言う業務から発生していることを忘れている。
どのような組織マネジメントが良いのか、ドラッカーの多数の著書に分散して書かれている。ゆえに彼が読者に何を伝えたいのかわかりにくいところがある。ただし、組織の被害者になって読み返すと理解できる。
(注)企業における異常な事件は自殺ばかりではない。他人に対して攻撃的な行動をとる人物を生み出したりする。ゴム会社では当方が転職後とんでもない事件が起きている。
カテゴリー : 一般
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