2022.06/04 データサイエンスの導入を
アカデミアからAIを活用しデータマイニングを行うマテリアルインフォマティクスが提案されて20年近く経過した。しかし、日々の業務であれば40年以上前から行われている多変量解析を行うだけでも十分である。
多変量解析が心理学などに導入され始めたのは50年以上前だが、当時は大型コンピューターの時代でその使用料も高価だった。
当方は1979年にゴム会社に入社したが、新入社員グループ研修テーマの解決手法として新入社員Mが提案した多変量解析を用いている。
このとき初めて多変量解析に接した。まず困ったのは教科書が少なかった点である。高価な専門書しかなかった。次にデータ処理方法だがIBM3033のマニュアルは英文だった。
新入社員の研修テーマだったのでコンピューター部門の丁寧な指導など無く、分厚い英文のマニュアルを読めと渡されただけである。そしてデータをパンチカードに打てば明朝までに出力結果を渡すというそっけないものだった。
それでも重回帰分析と主成分分析を使いこなし、成果を出している。成果発表会ではCTOから「大馬鹿もの」と叱られた記憶が今でも残っている。
パワハラが問題視される昨今とは異なり、各種ハラスメントが社会に溢れていた時代だ。コロナ禍でマスクが日常の習慣となったが、パワハラも常態化すればマスクと同じである。
データサイエンスを業務に導入してみて一番ためになったのは、パワハラ耐性を持たなければ社会を乗り切ることができないという教訓と技術とは何かというCTOの説教だった。
今ならばこのような空しい結果にはならないだろう。コンピュータ資源は社会に溢れている。また重回帰分析と主成分分析は弊社のサイトに無料公開されている。
当方は多変量解析の導入で転職を決断しなければいけない状況になったりと、よい思い出は無いが、それでもデータを数量的にうまく捉えることができる有益な方法であると若い人に伝えたい。
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