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2022.06/28 PPS摺動部材

摺動部材でなくても良いのだが、脆いPPSの意外な用途として、ベアリングとか中間転写ベルトのような動的部品がある。いずれも特許が出ており、脆い材料をどのように使用しているのか参考になる。


例えば中間転写ベルトでは、ナイロンとの複合化で高靭性を実現し動的部品に使用可能としている。また、トナーの清掃にブレードを用いても滑りやすく摺動部材としても使用可能な表面性である。


摺動部材としては、PPSを繊維化して用いる事例も特許出願されており、PPSが脆い、というイメージでアイデアを出そうとするとこのような技術は出てこない。


脆いPPSの靭性を高める技術開発は古くから行われているが、ナイロンの添加にしてもTgが下がる問題があった。この問題の解決にオリゴマーが有効であり、それを活用した特許出願を弊社は行っている。


この技術の優れているところは、PPSの結晶成長も抑制する効果があるようで、200℃の雰囲気に長時間放置しても強度低下がわずかである。未変性のPPSでは結晶成長のため、靭性が下がり強度低下する。


PPSの問題はTgが低い点だが、これはFRP化することによりTgよりも高い温度での使用が可能となる。炭素繊維との複合線材は実用化された。


PPSのFRPであれば、高温度まで耐久出来る摺動部材が可能となる。弊社の特許は現在審査請求中であるが、この技術を活用したいと考えておられるところに売却しても良いので問い合わせていただきたい。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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