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2022.07/15 機能性高分子

機能性セラミックスを設計する技法と機能性高分子を設計する技法は異なる。機能性セラミックスでは科学的に美しい体系ができているが、機能性高分子では、科学的というよりも技術的方法論となる。


また、理論的な設計値を実現し品質管理を行う場合でも機能性セラミックスの方が容易である。高分子材料では、およそセラミックスの設計値のばらつきの10倍以上ばらつく場合が多い。


もちろん機能性高分子でも、機能性セラミックスと同様にばらつきの小さい材料設計が可能な場合があるが、それは少数派である。


具体的に導電性という性質を取り上げた場合に、機能性セラミックスでは、酸化物系セラミックスから選択し材料設計を行う。透明導電性と限定すると酸化スズ系か酸化チタン、酸化バナジウム、酸化亜鉛と絞られてくる。


そして、導電性の設計方法も異原子のドーピングにより、酸素欠陥を生み出すという方法が知られている。電子伝導性高分子については、白川博士のノーベル賞受賞で知られるように画期的な発見として知られている。


一次構造の設計において高分子のパイ軌道を活用する場合には、分子軌道法も活用でき科学的議論を展開しやすいが、高分子に導電性を付与する方法にはカーボンのような導電性フィラーを練りこむ方法が古くから知られており、この方法はかつて混合則で議論されていたように経験的となる。


また、半導体高分子を材料設計する場合に、一次構造で材料設計するよりもカーボンの添加について混合則で材料設計した方が経済的である。


ただし、導電性物質を高分子に練りこみ半導体を設計するときに、導電性のばらつきを半導体セラミックス並みに品質管理するためには、材料設計に少し工夫が必要になる。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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