2022.10/14 パーコレーションを理解できると—
コロナ感染ではクラスターという言葉がよくニュースで使われたが、パーコレーション転移は無限クラスターができて安定化する。
すなわちパーコレーションについてその挙動を理解できればコロナ感染のクラスター理論の雰囲気まで理解できる。
技術者によるパーコレーションの理解が重要なのは、高分子にフィラーを分散した時に必ず現れる現象だからだ。フィラー以外でもパーコレーションは起きる。
導電性粒子を絶縁体高分子に分散した時の転移は1000倍以上の抵抗変化を伴うのでその現象に気がつくが、強度や線膨張では、パーコレーション転移による物性変化の偏差は小さいのであまり関心を示されない。
しかし、あるフィラーの添加率で線膨張率のばらつきが大きくなったり、強度データのばらつきが大きくなったりするのはパーコレーションの影響である。
パーコレーションを数式から理解しようとするとスタウファーの教科書を1冊読む必要があるが、弊社のセミナーのモデルならば、直感的にパーコレーションという現象を理解できる。
この直感で理解できる点が重要で、その結果パーコレーションが絡む問題についてヒューリスティックな解のアイデアが浮かんだりする。
PPS/6ナイロン/カーボンコンパウンドで押出成形されたベルトの歩留まり改良アイデアは、現場でボーっと作業を見学しているときに浮かんできた。
カテゴリー : 一般
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