2022.10/17 DXの進展とデータ解析
DXの進展により、プログラミング環境が充実した話を紹介している。登場して30年経過したPythonの無料ライブラリーを用いてAIまでできてしまう。
そのAIを用いて高分子分野には、公開されたビッグデータを活用したマテリアルインフォマティクス(MI)が注目を集めてきたが、がっかりしている人は多いのではないか。
当方は「花王のパソコン革命」(タイトルが間違っているかもしれない)という書籍が発売された時代からデータサイエンスに取り組み、それを用いた高分子の問題解決を実践してきた(この数年のMIと異なり、データサイエンスで新材料が開発された事例は多い)。
そして、ラテン方格を用いて、フェノール樹脂とポリエチルシリケートの反応条件を求め、それに成功すると、高純度SiC半導体治工具事業を提案している。
このような50年近くの実体験から、アカデミアから起きたMIについて冷ややかな目でその成果を眺めてきた。先月末から、当方が考えるDX時代のデータサイエンスによる高分子材料の問題解決法のセミナーを始めたが、参加者が少ない。
1万円という低価格のセミナーなので企画が悪いと判断して、今新たな企画を練り直している。エクセルのデータをどのように処理するのか、など基本的なデータの扱い方から解説するセミナーを準備したので、特に部下のデータ整理が乱雑で困っている管理職は、ぜひ期待していただきたい。
カオス混合の発明を目指したきっかけは、6年間T社と旧ミノルタがPPSの押出成形について研究してきた膨大なデータの見直しである。エクセル形式で残っていたデータを解析してびっくりしたのは、コンパウンドの進歩が全然なかった事実(注)である。
データサイエンスを駆使して多数のエクセルデータを解析したところ、押出成形の無意味で無駄な開発が明らかとなり、デジタル発想で混練技術の見直しに着手している。
そして、たった半年でそれまでと不連続な技術により問題解決している。このとき多数のエクセルデータはC#により整理解析されたが、今ならPythonで誰でもできる(ゴム会社でも写真会社でも公開してこなかった実務ノウハウだ。ゴム会社を転職しなければならくなったのがこのような科学とは異なる技術開発哲学によるノウハウや解析技術が原因だったので、公開することをためらってきた。ドストエフスキーの心境を思う時、科学と技術の思想上の乖離は時として当方の転職のような悲劇が生まれるので、その公開にはリスクがある。しかし、DXがここまで進展した今ならばリスクも少ないと判断し、セミナーの企画をしている)。
(注)科学の発想では生み出すことができないカオス混合技術を発明したのは2005年であり、その後ミッドレンジの複写機の中間転写ベルトが2010年までポリイミドからPPSへ置き換える開発が進められている。これは、特許検索でカオス混合を検索していただけば明らかとなるが、T社からその後カオス混合に関する特許が多数出願されるので当方の仕事をそこから想像することができる。半年でカオス混合プラントを建設した話などコンパウンド技術をご存知の方ならば信じられないかも知らないが、事実である。中古機を集め根津にあるブリヂストン時代からお世話になってきたK社にお願いして実現できた開発である。大手ゼネコンにお願いしていたらこのような短期間の仕事はできない。いざという時のK社については弊社にお問い合わせください。
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