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2023.01/14 昨日の続きで希望通りのデータについて

仮説を立て実験を行い、仮説から外れたデータが得られた時にどうするのか。一つは仮説が間違っていたとして、否定証明に切り替える研究を進める方法がある。


イムレラカトシュも指摘しているように、科学的に厳密に突き詰めてゆくと、否定証明が唯一完璧な科学的方法だという。


電気粘性流体の耐久試験問題で、界面活性剤では問題解決できない、という否定証明の論文を転職直前に読んだが、確かに科学的に完璧な論文だった。


当方はこの論文の存在を知らなかったおかげで、この論文の内容を一晩でひっくり返す実験を行って、電気粘性流体の耐久性問題を界面活性剤で解決できた。


これは科学における実験を考えるために良い事例だと思う。ただしこの事例のために当方は転職までしなければいけなくなったのだが、これは誠実真摯な技術者であろうとした若い時の行動である。


話が横道にそれたが、仮説から外れたデータが得られた時にとる方法として、技術者ならば仮説に含まれていない因子を使って仮説に適合する結果を出す努力をする。すなわち、仮説から外れたデータが得られた時に科学者と技術者は異なる行動をとる。


これは、技術者というものは機能を実現することが使命として存在するからである。機能を実現する因子を探すために仮説を立てて実験を行い、その仮説が外れても、仮説が成立しなければ機能を実現できないとなると必死で他の因子を探し、仮説を成立させようと努力する。


この時効率の良い方法がタグチメソッドである。タグチメソッドでは想定される制御可能な因子をラテン方格に割り付け実験を行う。このときどの制御因子が有効かは考えていない(仮説が無くてもタグチメソッドの実験は成功する)。実験計画に基づく実験が終了して初めて制御因子が明らかになるのだ。


明らかになった制御因子を用いて再現実験を行いデータをだす。この時のデータは、機能を実現するためにロバストの高いデータであり、市場における再現性は高い。ただし、制御因子が科学的に納得できない場合も電気粘性流体の耐久性問題を解決したように制御因子は存在する。

カテゴリー : 一般

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