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2023.03/04 ラテン方格を用いるTM(1)

タグチメソッド(TM)=品質工学として根づくのに20年以上かかっている。日本で普及が始まって以来30年以上経ち、データサイエンスとしても注目されるようになった。

当方はTMが知られるよりも前に、ゴム会社の研究所で実験計画法をバカにされながらも使い続けた。ゴム会社では、日本科学技術連盟のBASICコースを修了することが技術系社員に求められていたが、研究所で必須となったのは当方の世代からだった。

そのため、先輩社員や上司の理解が得られないまま、統計手法を職場で用いることになった。研究所では科学が唯一の哲学であり、仮説設定して実験を行えば検定など必要ない、という猛者までいた。

統計科学の観点では、仮説の検証には検定が必要だと述べても頭ごなしに否定されている。困ったのは、実験計画法により実験を行っても有意となる因子が見つからなかった時である。

科学の形式知から有意となるべき因子でも誤差分散が大きいと有意とならないのは、統計をご存知の方ならばすぐに理解していただけると思う。

ゆえに明らかに有意となるべき因子が見つからない結果がでると上司も含め研究所内で大笑いの語り草となった。それでも実験計画法にこだわった。

ある日、開発とは機能を向上するために行う行為なので、機能を向上できる科学の形式知から自明の因子をラテン方格の外側に配置する方法を思いついた。

こうすることで分散分析の対象から外すことができると考えた。今ならば外側に配置した因子についても分散分析を行うことを考えるが、当時はそこまで思いが至らなかった。

その結果、タグチメソッドの感度重視の実験にほとんど似た方法で実験計画法を行うことができた。ただし、当方は外側に割付た因子で分散分析を行いたくなかったので、外側には誤差因子を割り付けていない。

カテゴリー : 一般

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