2023.03/06 ラテン方格を用いるTM(2)
ラテン方格の外側に機能を調整できる因子の機能に対する相関係数を割付けて実験計画法を行うと、その相関係数を大きくできる因子を見つけることができる。当方は新入社員時代にこの方法を考案している。
すなわち、ここで機能を調整できる因子とは、TMでいうところの基本機能の制御因子の一つである。TMでは、制御因子を見出した後、制御因子の中でSN比に影響を与えない因子を調整因子と呼んでいる。
また、TMで基本機能の感度やSN比を求めるために外側へ配置するのは、信号因子である。この信号因子を変化させて計算されるSN比を外側に割り付ける。そして、SN比を向上できる制御因子を見出し、調整因子で感度をあげるのが、TMでおなじみの二段階の実験法である。
実験計画法においてラテン方格の外側に測定の生データを割り付けて分散分析を行うと、誤差が小さくても最適条件を見出せないことがあったが、外側に相関係数を割り付けた実験計画法を行うようになってから、面白いように最適条件が当たるようになった。
また、このような実験を行うようになって、日科技連で指導された因子の見方以外に、誤差因子を意識するようになった。
TMではラテン方格の内側に割り付けるのは、制御因子だけだが、実験計画法では制御因子かどうか分からないものまで割り付けることがあった。
これは実験計画法を経験されている方ならばご理解いただけると思う。制御因子かどうか考えずにうっかりと誤差因子を割り付けて誤差因子が有意となるような笑えない結果が出たこともあった。
これは、実験における因子にどのような種類があるのか考えていないためにおこる。科学で仮説を立てるときにこのようなことは特に意識しないのでTMの視点では科学の実験姿勢に問題があることになる。
しかし、改善したい機能の相関係数をラテン方格の外側に割り付けるようになって、最適化するためには、それができる制御因子とその水準を知りたいと自然に考えるようになり、その結果誤差因子を意識するように変わった。
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