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2014.08/21 執筆依頼

昨日工業用途のポリマー材料,エンジニアリングプラスチック,合成ゴムなどの 高分子材料の研究開発をテーマにした技術情報誌「Polyfile]から、2014年11月号の特集について執筆依頼を受けた。執筆内容については公開して良いのかどうか不明だが、当方の体得している技術の一つについて、科学と技術の視点にわけて、解説する予定でいる。もしご関心のある方は、購入してご一読ください。

 

これまでこのような業界誌からの執筆依頼を受けてきたが、可能な限り科学的に書くことを心がけてきた。しかし、それでも伝えたいことを書くためには、妄想と批判されても技術者の視点で見たときのポイントを述べるようこころがけた。

 

しかし、「妄想」が多すぎた場合に同僚から「好き勝手に書いている」とか、「よくあそこまで言いきるね」とか批判されてきた。業界誌は学会誌と異なるので技術者の妄想を書いても許されると思い、当方は書いてきたが、このような批判を受けると少しは心が痛む。

 

当方も学位を取得し、科学の世界で研究を行いたいと思っている技術者である。しかし、科学の世界にも定員があり、そこからはじき出されている身分では、せめて科学の世界で活躍されている研究者の先をゆく技術(注)を開発したい、と自己実現の目標を設定し研鑽してきた。

 

例えばSTAP細胞の論文では捏造と騒がれているが、あれは科学の世界で見ているからだ。もし本当にSTAP細胞ができているならば、技術論文として優れた論文である。STAP細胞の研究では、STAP細胞を製造する技術が無いために科学の研究ができない状態なのだ。

 

iPS細胞では、最初にそれを作る技術を消去法で開発し、科学の研究を開始している。STAP細胞については、小保方さんが200回も作成した、と言っているが、それを再現できる技術まで創り上げていなかったから問題になっているのだ。笹井さんも「あれは技術論文だ」と言えば良かった。

 

しかし、彼の立場ではそれが許されないだけでなく再現できないことも苦しい状況に追い込んだ。再現できていれば捏造ではなく妄想を分かりやすくするために脚色した技術論文となる。多くの特許がこのように出願されており、捏造などと批判されていない。技術では再現さえできれば、分かりやすく説明するための工夫は捏造とよばない。

 

一人の人間が200回も作成できているならば、いつかは第三者も作成できるようになる。当方は高純度SiCの前駆体製造技術について、たまたま電気炉の暴走があり1回成功しただけで、2億4千万円の先行投資をゴム会社で頂いている。そしてその先行投資された技術は今でもブリヂストンで事業として継続されている。

 

技術とは科学的に証明できなくても、機能をロバストよく再現できればそれで完成といえるのだ。タグチメソッドはそれを実現できる唯一の方法で、日本で生まれアメリカで育ち、日本に逆輸入された優れた問題解決法である。

 

今回執筆依頼を受けた内容について詳細は雑誌のPR記事をご覧頂きたいが、これまで公開してこなかった30年前に開発した技術についても惜しみなく公開するのでご一読ください。ちなみに本技術については、ゴム会社でたった2年だけ担当した技術で、退職前の一年間の最後の暇つぶしの期間に30年前を思い出しながら商品を一点仕上げることができた、由緒正しき「妄想」である。

 

技術とはそれを身につけることができるならば、担当した期間は無関係である。技術者の中には5年以上も担当しながら技術の完成を実現できない人もいる。一方一週間程度でも優れた技術を体得する人もいる。高純度SiCの技術はたった一日で生まれ、その一日で体得できた技術である。1日という期間であるが、未だに注目され時々質問を受ける。また某社からは数年前に改めて異なる視点で特許出願がされていた。

 

www.miragiken.com 」では、未来技術についてマンガで書いている。ドラッカーは誰も見たことの無い世界がはじまる、と予言し他界されたが、誰も見たことの無い世界を書くのにマンガは適した表現手段である。

 

(注)電気粘性流体の技術をいくつか開発したが、FDを壊して開発活動を妨害してきたのは研究者である。犯人は、「なぜそんなに早くできるのか、隠している論文を見せよ」とある日迫ってきたが、とんでもない勘違いである。電気粘性流体の科学論文など読んでいなかった。技術者は、その心眼で現象を眺め機能が正しく働く様子を心に描き、技術をデザインしているのである。その具体的方法を弊社では研究開発必勝法として販売している。

カテゴリー : 一般 宣伝 高分子

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