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2023.07/18 高分子と火災と評価技術(5)

LOIは継続燃焼するために必要な最低限の酸素濃度を指数化したものである。ゆえに、測定法を工夫すればどのようなサンプルでもその値を求めることが可能である。


工夫するにしてもガス流量と測定雰囲気温度を一定にすことは重要である。いずれの因子にもLOIは影響を受ける。また、LOIに影響を与えるが、センサーなどの部品が揃っているので精度よく管理することは可能である。


タグチメソッドの実験では、これらは誤差因子となる。もし、ガス流量や測定雰囲気の温度を信号因子にした実験を行うと、後者については悩ましい結果となる。


ガス流量も規格値を中心値として測定すると信号因子になりそうな結果が得られたりする。実験は面倒になるが、難燃剤の添加量を信号因子にすると、LOI値が23ぐらいまでは、線形性の良い結果が得られる。


UL-945VBに合格するためには、LOIは21以上が必要なので、それを目的とした材料の基本機能のパラメータとしてLOIを用いることが可能である。


LOIの測定を規格通りに行うと測定不能となる試料が出たりする。しかし、規格外の条件で工夫するとどのような試料でもその値を決めることが可能となり、その再現性も良い。ただし、規格外で得た値は、あくまでも規格外であることを忘れてはいけない。


しかし、難燃性を樹脂の基本機能としたときに用いるパラメーターとしてLOIは難燃剤の添加量や高分子の高次構造に対して線形性が成立するので、燃焼速度よりも扱いやすい。

カテゴリー : 一般

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