2014.11/08 問題解決プロセス(6)
新入社員の研修で担当した軽量化タイヤの構造設計のテーマでは、仕事における問題解決プロセスが、大学で学んできたプロセスと大きく異なることを学習した。さらに高校時代から愛読してきたドラッカーの書物に書かれていた「何が問題か」というフレーズの重要性をCTOのカミナリから実務として知ることができた。
ドラッカーの書籍は社会における問題解決の指南書としても読むことが可能とも感じた。そこには軽量化タイヤの実習で体験したことを説明できることも書かれていた。例えば指導社員は頭の良い人であったが、どこか解説調の語り口で当事者意識の薄いところが気になったが、このような知識労働者は多い。
ドラッカーは頭の良い人が何故成果をあげられないのかいろいろ指摘している。答をしたり顔で解説する姿勢も問題であり、重要な事は答を見つけることではない、とまで明確に述べている。そして正しい問いを探すことこそ重要である、と。
このドラッカーの言葉に従えば、タイヤの軽量化のテーマで行ったリバースエンジニアリングの作業は正しい問いを探す作業だった、と捉えることもできる。そして主成分分析はそのヒントを明確にする手段だったようだ。CTOは新入社員の発表からその様に理解されたのかもしれない。
世界中のタイヤの構造を解剖し比較検討したのは初めてのことだったらしい。通常はM社や一部のメーカーのタイヤを解剖し、それをベンチマークとしていたようだ。
だから主成分分析を行い、そこにマッピングして得られた、ゴム会社が最も特徴の無いタイヤになっていたという結果は、CTOとして少しショックだったと思われる。
主成分分析で問題の定義と分類がなされた、と捉えるとプレゼンテーションを聞いたCTOの目には当時のタイヤ開発部隊の抱える問題が明確に投影されたのかもしれない。
カテゴリー : 一般
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