2014.12/03 企業の科学的問題解決プロセスにおける問題(3)
科学の時代では科学の常識に反した現象は、否定証明により起こりえないこととしてかたづけられた。科学に反する現象を科学的に肯定証明するためには、その現象を証明するための新たな真実が必要になり、その真実を見つけることが難しい作業になる、と分かっていたからである。
科学の常識に反する現象でも、それが現場で必要な機能を提供してくれるのならば、技術で活用できるようにするのが技術者のチャレンジであり、そのチャレンジにより新たなイノベーションが引き起こされる。イノベーションが起きれば真実のヒントも見えてきて、科学の研究もやりやすくなる。
PPSと6ナイロンを相容させる技術ができてから5年経過してアカデミアから高分子材料がスリットを通過するときの現象についてモデル化した研究が発表されるようになった。すでに3報論文が出ている。
20世紀には科学が技術を牽引してきたが、科学が急激に進歩した結果、21世紀は技術が科学を牽引しなければならない時代になった。すなわち科学者の増加により科学で容易に研究できることはすべてやり尽くされたからだ。
今科学の進歩が著しいのは、かつて神の領域として倫理の問題を議論しなければならなかった分野である。高分子物理も本来は力を入れなければならない分野であるが、大変難しいのでその進歩が目に見えない。
STAP細胞に大衆が興味を示すことができたのは理解しやすいからである。分かりやすい大半の科学の問題は20世紀にほとんど解決されてしまった。その様な分野で、いま新たな現象を用いる技術開発を行おうとするならば非科学的な問題解決プロセスを避けて進むことができない。
そのとき非科学的な問題解決プロセスでチャレンジする決断がリーダーに必要になる。 www.miragiken.com には、弊社が提供するヒューマンプロセスについて二人の探偵を事例に紹介しています。
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