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2015.02/24 イノベーション(15)戦略2と3

戦略2(オブジェクトの隠れた機能を探し出す。)を遂行して、Hが接着剤の必須成分ではないことを発見した。見かけの分子構造は接着機能に必須成分の様子ではあったが、薄層のレオロジー解析から可塑剤として機能していることがわかり、シミュレーション結果からもそのことが示された。

 

次に、可塑剤としての機能を取り払って、物質Hが添加された時のモルフォロジーを考察、すなわち戦略3(オブジェクトの特徴となっている機能を無くしてみる。構造は残す。)を遂行したら、ポリマーアロイ下引層のアイデアが出てきた。

 

脱Hというテーマは、ただHという物質を下引層から取り除くだけで簡単に完成した。ただし長年の苦労が新たな解析方法の導入で報われたようなプレゼンテーションを行った。そして新たなポリマーアロイ下引を開発するという大きなイノベーションを起こした、と説明した。長年の苦労に報いるために簡単にできたというプレゼンはするべきではないと考えた。

 

成果においても、脱Hで出来上がった下引層の品質はそれまで使用されていたラテックス下引と同等だった。ほとんどそのまま「真似」と言ってもよい成果であるが、下引層の設計技術において脱Hとポリマーアロイ下引というイノベーションを達成している。

 

後者については、特許出願を行い権利化できたので進歩性と新規性が認められている技術である。しかしこの技術開発はあまり話さないことにしてきた。ただ物質Hを取り除き、既存のラテックスの組み合わせを変えただけの仕事である。たいしたことは何もやってなく、一年間楽しんだテーマだった。

 

カテゴリー : 一般

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