2015.03/04 イノベーション(23)大塚家具の場合に戦略7
大塚家具の内紛が連日新聞に載り、プロキシファイトをあてこんで株も上昇を続けている。上場企業で父と娘がその経営方針の違いから争っているのだが、戦略7(異なる二つのオブジェクトを一つにしてみる)が使えないか?血のつながった父と娘である。何とか一つにまとめる方法があると思う。
水と油のごとく全く異なる性質の物質でも界面活性剤を添加すればミセルを形成し均一なコロイドとなる。界面活性剤を加える、というところが大切で、この手法は、ポリマーブレンドでも採用されている。
良く知られているように異なるポリマーはフローリーハギンズ理論で説明されているように相分離する。相分離してできる有名な海島構造では、島の大きさがポリマーブレンドの物性に影響を与えるので、コンパチビライザーを添加して島を小さくするように工夫する技術手段がとられる。コロイド化学における界面活性剤の考え方とよく似ている。
コンパチビライザーは異なる二つのポリマーのモノマー構造を持つコポリマーなのだ。親水基と疎水基で構成された界面活性剤は、異なる化学構造を持った低分子を混合する時の世界で機能する化合物の呼び名だが、コンパチビライザー(相容化剤)は高分子の世界の呼び名だ。両方とも均一に混ぜようとする対象と親和性のある構造を持っているのが特徴だ。
ポリマーアロイの技術の構造は、ほとんどコロイド化学のパクリである。余談だが、PC/ABSにコンパチビライザーはいらない。カオス混合で高次構造をナノオーダーまで小さくできる。カオス混合は混練技術の大きなイノベーションだ。但しその開発プロセスは戦略7ではない。
戦略7の実行において、両者をうまくミックスするための添加剤の概念が重要で、この概念には両者の基本的な要素が組み合わさっている。
父親のIKEAやニトリを意識してはいけない、という意見には賛成だ。だから以前の会員制にしたほうが良いとは思わないが、この仕組みや接客サービスの要素を分解し、取り込むことを娘は考えないのか?戦略7で新しいユニークな大塚家具に生まれ変われるような気がする。父と娘が仲良くなるためのアイデアがあるのだがーーー。
カテゴリー : 一般
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