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2023.09/25 データサイエンスのスキル(3)

会社で開放されていた大型コンピューターの統計パッケージは使いやすかったが、その使用料は各組織に配賦されたので、グループメンバーはじめ上司から毎月費用対成果を問われた。

また、とんでもない本がベストセラーとなり、急遽OA委員会が組織されてそのメンバーとなり、パソコンの無い状態で薬品管理プログラムを作成するよう指示された。


このような流れから、ローンで購入されたMZ80Kのシステムが独身寮の1室で稼働するようになったのだが、このシステムで業務データの解析ができるようになったのは、半年以上経過してからである。


薬品管理プログラムの作成やハードウェアーとシステムソフトの理解に時間がかかったためであるが、データサイエンスの研究のためにハードウェアーからソフトウェアーまですべて勉強できたことは、その後の「コンピューターで問題を解く」習慣に役立っている。


特に転職後フィルム技術の知識が無い状態で仕事を行う時に強みとしてそれらのスキルが役立った。なぜなら、転職した職場の担当者レベルで当方と同じコンピューターの知識を持っていた人が一人もいなかったからである。


データサイエンスでは、データをどのように収集するのかが重要になってくる。一つの方法は、アナログデータをデジタルへ変換し、測定器からコンピューターへデータを取り込みそれをコンピューターの中で解析する仕組みを作ると便利である。

PC9801用AD変換ボードやGP-IBボードの扱いができれば簡単に実現できる。転職した時にはLattice Cを使用しており、これらの制御用ライブラリーも自前で揃えていた。

コンピューター関係のソフトウェアーを自前で購入し、会社の仕事で使うというのは企業の情報管理の観点で好ましいことではないが、ゴム会社の研究所の考え方は少し常識からずれていた。

しかし、会社の仕事で使用するソフトウェアーを自前で購入していたおかげで、転職時にすぐにそのスキルを写真会社で活かすことができた。


フィルムの帯電防止評価技術開発では、当方のコンピューターに関する知識を活かすことができて、インピーダンスを用いた評価技術を新たに開発し日本化学工業協会から技術特別賞を頂いている。


また、日米国際写真科学会議の講演でトリを務めさせていただいた。この研究ではインピーダンス測定データ群と実技テスト結果をデータサイエンスで処理し、新たな評価技術を生み出した手順だけでなく、パーコレーションとの関係を考察し、方法の科学的妥当性を考察している。

データサイエンスのスキルについて、ハードウェアーからソフトウェアーまでコンピューターに関するすべての知識を持っていると便利だった。

しかし、DXの進展により生成系AIが登場したので、技術者が持つべき知識量は激減した。わずかな努力で効率的にデータサイエンスのスキルを身に着けることが可能となった。

カテゴリー : 一般

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