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2015.04/19 科学の重要性(6)

高純度SiCの反応速度論を研究するために、自分で設計した熱天秤を使用している。新たに開発した、と表現しても良い熱天秤で、2000℃まで15秒以内に上昇する。おそらく15秒以下で2000℃に到達しているはずだが、熱電対の表示遅れで5秒前後に2000℃と表示される。

 

赤外線イメージ炉とYAGレーザーを熱源に用いて開発したその熱天秤は、当時世界最速の昇温スピードだった。この熱天秤開発を企画したのは、高純度SiC前駆体の品質管理をどのように行ったら良いか考え、その結果到達した結論である。

 

すなわち高分子前駆体については透明な物質が合成されれば、可視光レベルのドメインが生成していないだろうことは推定がつくが、その前駆体高分子を加熱して800℃で炭化したときに、分子レベルでシリカと炭素の混合物になっているかどうかの証明が困難であった。

 

当時進歩していた機器分析装置を用いても科学的な証明は難しく、品質管理手段が見当たらなかった。シリカと炭素の組成比については、分析手段があったのだが、分子レベルでシリカとカーボンが混合された状態を管理する手段はなかった。

 

そのため量産時にどのような品質管理をしたら良いのかが問題になることは、この合成法のアイデアを思いついてからの重要な課題になっていた。おそらく今もその簡便な手法は熱重量分析法(TGA)しか無いが、当時大学の先生にご相談しても電子顕微鏡観察以外に良い回答は無かった。

 

ところが電子顕微鏡観察でわかるのは、シリカのドメインがかなり大きい場合である。フッ酸でサンプルを処理して観察を行うのだが、最高の分解能のTEMで得られた像でどこまでマクロレベルまでの均一性を証明できるのかが不明だった。

 

 

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