2015.05/13 問題解決(11)
プログラミングを学習した経験があると「システム」という抽象概念の動作原理を考えることは容易である。面白いのは、プログラミング技術の発展の歴史は、あたかも問題解決法の発展の歴史のように見えてしまう点である。
これは当方だけかもしれないが、C言語のような構造化プログラミング手法が登場した後、それを発展させたオブジェクト指向言語C++が現れ、人工知能分野ではエージェント指向という手法まで研究されている。
ビジネスプロセスの問題解決法はいろいろ登場したが、世間で普及しているのは、せいぜいオブジェクト指向レベルまでである。中には、オブジェクト指向のプロセスをそのまま問題解決法に用いている例もある。USITがそうである。TRIZやUSITが古いという評価の正当性は、プログラミング技法との対比からも明らかである。
いまやエージェント指向の問題解決法の時代である。初学者に古くなった難解なオブジェクト指向の考え方を押しつけ、科学的に当たり前の解しかでない、という落胆状態をかつて見てきた。USITやTRIZの押しつけは、知的拷問以外何物でもない。
ビジネスプロセスの問題解決に必要なシステムは、従来の科学的な「秩序だった」機能と、ある意味「無秩序」な機能の二つを含んでいなければならないはずだ。このように考えると概念的なすべての機能を含むことが可能となる。秩序だった機能は、従来のビジネスプロセスの問題解決法が対応している、と見なせば、ヒューマンプロセスは無秩序な機能と定義づけることも可能だ。このように定義づけるとヒューマンプロセスというものがその役割とともに具体的に見えてくる。
すなわち、科学の時代にその視点で認識されたビジネスプロセスは、秩序だった機能の塊に見える。だからTRIZのような手法を研究しようというアイデアが生まれたり、ISOなどの標準化が進んだ。
標準化されたり科学的問題解決法が普及しても、多くの問題が発生しているのである。さらにそれらは従来の問題解決法では解けなかったり、解決に膨大な時間がかかったりしている。従来の概念と異なる手法で取り組まないかぎり、それらの問題は解決できないはずで、従来と異なる「無秩序な」方法がヒューマンプロセスである。
あらためて難解なプロセスを開発しなければいけないのか、というとそうではない。例えばヤマナカファクターも受験生におなじみの手法で発見され、すなわち昔ながらのヒューマンプロセスを用いてノーベル賞を受賞している。
従来非科学的と排除されてきた問題解決の方法は、少し工夫すると、すべてヒューマンプロセスとして活用できる。軽視されていた非科学的方法をうまく使うように提案しているのが弊社の研究開発必勝法プログラムで、一例をwww.miragiken.comにおいて説明している。
カテゴリー : 一般
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