2015.06/13 科学と技術(2)
科学は真理を追究することが、技術は機能を実現することがミッションとなる。科学は、それゆえ分析的解析的仕事のやり方が主体となり、真理を追究する。分析的解析的仕事が中心になるので、専門の知識や論理学に秀でていなくては仕事を進めることができない。また、真理を見いだすのではなく作り出すことは捏造と言われる。
凡人でも成果を出せる唯一の科学的な方法は、発見である。科学の研究では真理を見つけさえすれば、それがゴールとなる。そして発見では、発見したオブジェクトの証明を科学的に行うことが求められる。発見されたオブジェクトにより、科学的証明が難しい場合がある。その時は繰り返し再現性を示し、その現象が事実であることを証明する。
繰り返し再現性を求めるという手法や手順は技術とつながる。技術は、自然界の機能を活用して、人間に有用な価値を生み出せるように作りあげるのが仕事である。そして、同じ機能を使っていくつかの商品をうまく作りあげる人のことを職人と呼ぶ。
技術者は、様々な機能を「見つけ出し」商品を作り出せる人およびそれを職業としている人である。科学の発見は偶然でもできるが、技術では機能を「見つけ出す」プロセスにコツが求められるので、多少の訓練が必要になる。
先日の「科学と技術(1)」で書いた「まずモノを持って来い」という指示では、機能を実現している実体を示すことが求められた。これはモデルでも許された。とにかく機能を実現できることを示さなければ開発を始めることができなかった。むちゃくちゃだ、という人もいたけれど、言葉で技術を語るよりも、機能を実現したモデルを示すことの方が説得力がある。技術者の訓練として大切である。
カテゴリー : 一般
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