2012.10/27 基礎事項の重要性
コンサルティングをしていて困ることは、お客様が当然知っているであろう基礎事項をその周辺の知識も含め知らない場合である。例えば技術系の学科を卒業していれば、温度の物理的意味を常識として知っていなければ、実験を正確にできないし、目の前に現れた現象を正しく認識できない。
温度は物理化学の教科書の最初の説明にも常識のごとく登場するが、強度因子であり、エネルギーなどの容量因子と異なる。何が異なるのかといえば、計測された値は、計測した部分の値を示しているだけで、系全体の測定値ではない点である。運動している流体の温度を計測した時に示された温度は温度計のセンサー部分を指示しているだけで、センサー部分を通過後はその温度がどのようになっているかは、不明である。たったこれだけのことであるが、大学の初年度あるいは優秀な物理の教師であれば、高校で温度計測の重要性を実験の時間に指導してくださる。
もうお亡くなりになりましたが、高校時代の物理の教師は、大変優秀な方で、大学の教養部レベルの内容まで授業で指導してくださった。その時に、温度とエネルギーの計測の注意点も指導してくださった。受験教育とは無関係のことだが、大切なことだから、と指導していただいたことを記憶している。穏やかな先生でしたが、物理教育に対する熱い情熱は伝わりました。
高校レベルでも教えている内容を知らないお客様にどのように説明をしたらよいのか躊躇します。知らないことがあっても人間の価値が下がるわけではないですが、あまりにも簡単なことを理解されてなかった場合に、当方の説明したことがどの程度伝わっているのか不安になります。「高分子材料のツボセミナー」は、常識ではないですが、高分子材料開発を担当した時に知っていてほしい内容をまとめましたので、ぜひご活用ください。
実務で高分子材料科学を活用する視点でまとめました。 高分子科学の全体像について学べますので、専門外の技術者にも学生にも役立ちます。
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