2015.08/14 まず、モノを持って来い(1)
これはゴム会社の企画会議でU取締役が担当者に投げかけた言葉である。今多くの会社では、ステージゲート的な開発管理が行われている。すなわちウオーターフローの進め方で研究開発を行うのが一つの標準となっている。
しかし、U取締役は、まずモノを作ってみて機能の品質を安定に作り込むことが研究開発である、と約30年前に部下を指導されていた。ステージゲート法が出てきても独特の研究管理体制で開発が進められていた。1970年代のブームで設立された研究所も開発研究所と名前をあらためたぐらいである。
高純度SiCの事業が立ち上がる糸口を見つけられたのは、できあがった粉を市場へ持って行け、と言われ、自ら粉を生産しマーケティングを行ったからである。
ソフトウェアーの開発手法にアジャイル開発と呼ばれる手法があるが、これは「まず、モノを持って来い」という開発手法と同じである。すなわち、まず簡単な動くソフトウェアを作り、それを市場に出して不具合点や不足点を探り、その後それらを作りあげてゆく手法である。
科学に縛られて研究開発を行っているとこのような開発手法は難しくなる。しかし、技術ならばこのような開発手法は、コンピューターのソフトウェアーでなくてもあらゆる分野で実践することが可能である。
今研究開発のスピードアップが叫ばれているが、「まず、モノを持って来い」手法は一つのソリューションだと思っている。その技術マネジメントの中で考え出されたのが弊社の研究開発必勝法である。
カテゴリー : 一般
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