2024.01/25 飛行機の難燃化
羽田の衝突事故でカーボンファイバー製の飛行機について難燃性に対する疑問がニュースになっていた。おそらくこの事故に対する検証が進んできたのだろう。
今回飛行機が丸焼けになったことにびっくりした人は多いのではないか。もし丸焼けになる前に消火できておれば、一部の荷物が助かったかもしれない、と感じたのではないか。
一方で燃焼速度が遅かったので問題ない、と捉えている科学者もいるかもしれない。事故直後この飛行機の機体がカーボンファイバーのFRP製であることを当方が知ったのは専門家の談話である。
その専門家の談話では、今回の燃焼状態は設計目標を達成していたという。当方はゴム会社に入社して1年後に同様の言葉を聞いたことがある。
某大学の先生が、高分子の不燃化は難しいので変形して火炎から逃げるような難燃化設計は現実的だ、と指導されて設計された天井材で火事が多発したのである。その結果難燃二級という建築評価基準が見直され、簡易耐火試験による難燃化基準が作られた。
当方はゴム会社から筑波の建築研究所へ派遣されてこの基準作成のお手伝いをしている。ホウ酸エステル変性ポリウレタンやフェノール樹脂発泡体の研究開発を担当していた時で、さらに高純度SiCの事業化企画も立案していた。
定期的にサンプルとヘルメット、安全靴をもって常磐線に乗り、荒川沖でおりてバスで建築研究所まで通っている。タクシーに乗りたかったが出張旅費としてタクシー代が認められていなかった。
単なる過重労働ではない。往復に20kg以上の嵩高い荷物を持って、早朝一番電車で通勤する過酷な仕事であり、今なら耐えられない。まさに当時当方以外の誰もできない仕事と上司に言われている。
しかしこの経験のおかげで、高分子の難燃化技術、高分子の破壊と劣化耐久性、混練プロセス、帯電現象の評価技術、セラミックスの評価とプロセシング技術、有機無機複合化技術、SiCの結晶化研究に関して学位取得、データサイエンスなど多くのスキルを身に着けることができた。
この身に着けたスキルで、写真会社ではゼラチンの破壊靭性改良技術で写真学会から、酸化スズゾルを用いた帯電防止層の開発で日本化学工業協会から賞を頂いている。
その他、ポリマーアロイの粘着層、巻き癖のつかないPEN、複合プリンターのキーパーツ開発、カオス混合プラントの建設など写真会社で多くの成果をゴム会社で身に着けた知により上げることができた。
これらの形式知や経験知をもとに現在セミナーを開催していますので、ぜひ聞きに来てください。またご希望の分野についてリクエスト下されば、格安でセミナーを開催させていただきます。セラミックスから高分子まで是非お問い合わせください。
この3月に開催される日本化学会年会では、高分子の難燃化設計に関し、ディープラーニングを活用した事例研究を発表します。今でも現役で下記技術について取り組んでいます。下記以外のニッチな技術にもチャレンジしますのでお問い合わせください。例えば皮革の難燃化でも短期間で成果がでております。
<現在取り組み中の技術課題:下記以外もお問い合わせください>
1.高分子技術(セラミックスから高分子まで、広い視野で取り組んでいます)
1.1.プロセシング技術
混練技術から射出成形、押出成形、成膜技術まで
コロイド技術から塗布、表面処理技術まで
発泡体技術
1.2.高分子の機能化
難燃化技術、帯電防止技術、熱伝導高分子、導電性高分子、高靭性化、低熱膨張高分子
光学機能高分子、高誘電体化
PPSはじめエンプラにつきましてもご相談ください。
1.3.高分子材料のトラブル対策
高分子の破壊、高分子の耐久性、ブリードアウト、高分子の寿命予測、シリコーンLIMS
帯電防止機能の低下、半導体機能の劣化、誘電体機能の劣化
2.セラミックス技術
2.1.SiCプロセシング技術(粉体から焼結体、結晶成長まで。学位の一部となったスキルです)
パワー半導体に使用されるSiCウェハーについて新しいアイデアがあります。
2.2,SiCの応用技術
SiC成形体について新しいアイデアがあります。
SiCの応用について
3.コンピューターを活用した問題解決法
3.1.生成系AIの実務への応用
3.2.データサイエンスの実務への応用
マテリアルズインフォマティクスはじめディープラーニングの手法につきましても扱っております。
タグチメソッドも新しい視点でご指導しています。
3.3.Pythonの教育と実務への導入
3.4.トランスサイエンス時代の品質管理
カテゴリー : 一般
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