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2024.02/28 高分子材料の破壊

セラミックスは、1980年代に起きたセラミックスフィーバーにより、材料科学としての形式知が完成した。1980年以前に書かれた教科書と1990年以降に書かれた教科書とを比較するとそれがよくわかる。


このセラミックスフィーバーは日本発の材料科学におけるイノベーションだが、これがアメリカを刺激してクリントン大統領がナノテクノロジーとバイオケミストリー、バイオリファイナリーの国家戦略プロジェクトをスタートしている。


現在バイオマテリアルがアメリカ中心に展開している所以だが、日本では2000年ごろから高分子材料を巻き込んだナノテクノロジーへセラミックスフィーバーが発展している。


さて、金属やセラミックスでは、その機械的性質に関し形式知の体系が完成したが、高分子ではまだ未完成のままである。ゆえに、金属やセラミックスでは当たり前の非破壊検査法が確立していない。


このことが意外にもあまり知られていないので驚いている。50年も材料科学をセラミックスから高分子までまんべんなく扱っていると、この落差が、高分子技術の難しさにあると思うようになった。


高分子科学を理解するためには、アモルファスとは何か、を知らなければならないが、これが難しい。無機ガラスを理解していると少しその取扱い方と高分子の特殊性が見えてくる。


そもそもアモルファス=ガラスと誤解している人がいる。ガラスではないアモルファスも無機材料では存在するが、高分子のアモルファスはすべてガラスである、と理解している人はよく勉強している。


また、高分子の結晶と無機材料の結晶と少し異なる、いや大いに異なることをご存知か。そもそも結晶成長速度をアブラミ式一発で整理しようとしている問題も気づいてほしい。


3月には技術情報協会で高分子の耐久性と劣化寿命、および材料の破壊についてセミナーが開催されます。是非参加し、勉強していただきたい。また、ゴムタイムズでも企画されており、特にゴムの破壊について学ばれたい方は、こちらのセミナーへご参加ください。弊社へお問い合わせいただければ、サービスさせていただきます。

カテゴリー : 一般 高分子

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