2015.09/15 ワークライフバランス
この10年ワークライフバランスが流行し、多くの企業が取り組んでいる。故ドラッカーは早くからこの点に着目し、「現代の経営」の中で大企業の抱える問題の解決策として、「組織の中の人たちの生き方を変えさせることである」と述べている。イノベーションで書いたゴム会社におけるCI導入における論文募集はその一手段であったが、当時と異なり現代は、個人の人生に対する姿勢に重点が置かれている。
彼は「大企業や巨大企業は経営管理者に対し、会社を生活の中心に据えることを期待しすぎている。」と指摘し、それが結果として、「組織だけが人生であるために組織にしがみつく」状態を作り出している、と述べている。
企業活動において新陳代謝は重要で、社員に会社へしがみつかれたのでは、大企業は経営そのものが危うくなるので従業員のワークライフバランスが重要になってくる。一方従業員にとって会社は60歳まで、と考えなければいけない時代において、政府から70歳まで企業が雇用する云々という話がでてきて、このワークライフバランスの本来の意味が従業員に分かりにくくなっている。
当方は「第二の人生」という考え方が嫌いである。すなわち会社勤務を第一の人生ととらえる考え方は、人生に会社生活の比重を重く置いて考えているようなものだ。そもそも人生には、仕事と生活(衣食住)以外に家族や地域社会、自分そのもの価値(自己開発)、余暇など様々な事象が存在する。この事象をうまくバランスさせてその人の独自の「人生」が生み出される。第一も第二も無い。
生活の糧を考えると会社にしがみつくのが最も安直であり、政府がいうように企業に対して70歳まで雇用する義務を課するのは必要かもしれない。しかし、それでは社会の発展が期待できないのである。働くことの基本は「貢献」であり、社会に有用な人材が、60歳以降大企業に安く雇用されるよりも、中小企業で高給で優遇され、それに見合うアウトプットを社会に出していったほうが良い。
そのためには、会社員として40年弱過ごしているときに5年程度は遊ぶつもりで思い切ったイノベーションを企画し実行すると勉強になる。人生のバランスを考え自由にそのバランスを設計できるためには、生活の糧を自由に選択できる自分を40年弱の間に創り上げなくてはいけない。すなわちワークライフバランスを考えるときに企業が従業員にサポートしなければいけないのは、弊社のような仕事のやり方のソフトウェアーを提供するコンサルタントをうまく活用することである。
カテゴリー : 一般
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