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2012.11/12 帯電防止の評価技術

材料設計を行うために評価技術は不可欠です。帯電防止技術を担当し最初に困惑しましたのは評価技術の種類の多いことです。表面比抵抗、体積固有抵抗、そしてこれらの測定方法の違い、ごみ付着テスト、摩擦帯電計、電荷減衰、帯電量計、接触帯電計など電気的測定法からすべり摩擦測定器、表面張力計など表面の評価技術などがあります。倉庫を見ますと実技テストの機械もいくつかあり、市場や工程で問題が発生した時には引っ張り出して評価するのだそうです。

 

確かに帯電現象は難しい問題で、感材(写真フィルム)の重要品質であることはわかりますが、日々の開発でこれだけの評価を行うことは大変な作業量です。また開発を担当している人たちも各評価技術と品質との関係を理解しないで測定しているのも気がかりでした。過去の評価結果を多変量解析にかけてみましたら2因子あるいは3因子に集約できそうな結果が得られました。条件を設定すれば、表面比抵抗だけでもよさそうです。しかし、たくさんの評価技術が使われてきた背景や事情もありますので、電気関係の評価技術だけでも整理してみました。

 

電気関係の評価技術でも多変量解析を行うと2因子に集約できます。面白いのは、表面比抵抗と体積固有抵抗のデータのばらつき方です。データに特徴のある感材について測定してみますと、サンプルをセンサーにセットしてからの時間で測定値が大きく変化するサンプルがありました。社内規定としてJISとは異なる評価方法をとっている理由を理解できました。このような現象をデータに反映させる条件で測定するようになっていたのです。電気関係の知識のある方はすぐにわかると思いますが、センサーにセットしてからの時間を無限大にしない限り誤差を小さくできません。有限である限り、測定値に時間依存の誤差が含まれてきます。

 

改めて、電気系評価技術と実技系評価技術にわけて計測方法を整理してみますと、表面比抵抗と体積固有抵抗以外はJISの規格が守られております。面白かったのはJIS法で計測した表面比抵抗と実技系評価技術との相関は低いですが、社内規格の評価方法にすると実技系との相関が良くなります。おそらく20年以上過去の諸先輩が工夫し表面比抵抗をできる限り実技系の評価技術と相関するように測定条件を工夫したのでしょう。

 

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カテゴリー : 電気/電子材料 高分子

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