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2016.05/27 役立つかどうか不明な基礎研究費用

「日本の天文学プロジェクトチームはハワイにたどり着けるのか~1億円が出せて旅費80万円が出せない謎」という記事が出ていた。1週間ほど前の5月16日の記事だが、少しばたばたしていて見落とした。
 
現在の我が国の基礎研究の置かれた状況を伝えている記事だ。すなわち、日本の天文学チームが研究のためにハワイに行く費用を国が出してくれない、だから、クラウドファウンディングでお金を集めているが、なかなか集まらない、という嘆きのニュースである。
 
読んでみて同情したが、弊社は創業から5年続きの赤字で残念ながらご協力できない。もし儲かっておれば、100万円ほど出してみたいと感じたが、今年は無理である。国が出せない80万円に対して100万円出してみたいと思ったのは、このくらいの額の時でなければ弊社の方針をアピールできる機会が無いと思ったからだ。今の弊社にとって良いチャンスだった。
 
おそらく、今後基礎研究分野はますます予算を取るのが難しくなるだろうと予想される。弊社創業の動機の一つでもあるが、学者の研究をサポートするのも21世紀は企業の役目と思っている。
 
国民の税金の使途は、今後福祉方面の予算がますます増加すると思われ、国民の公僕と呼ばれる人の仕事に使うお金も、基礎研究費同様ますます厳しくなるだろう。先日の東京都知事の言い訳に都民の9割が納得していない、のは当たり前の結果である。
 
国民の税金から、それがどのように役立つのか不明な基礎研究費用を出せなくなる時代が来るかもしれない、とも思っている。しかし、そのような研究が技術の下支えをしていることは、経験から多くの技術者や経営者は気がついているはずだ。
 
例えばスーパーカミオカンデのセンサーの技術で事業が成り立っている会社もある。その会社だけでなく、あのような研究ができたことで新たな技術のヒントも恐らく生まれているだろう。壮大な宇宙の研究費用を正当に評価できる人など誰もいないだろう。しかし、そのような夢の研究に、節約してでもお金を出せる民族でありたいと思う。
 
将来余裕ができたら、日本の基礎研究費用をサポートできるような財団かクラウドファウンディングをお手伝いできるようなNPOを設立してみたいと考えている。しかし、まず現在の会社を黒字にしなければその夢も見ることすら難しい。
 

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