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2024.04/25 データサイエンスと私(10)

ホスファゼン変性軟質ポリウレタンフォームの工場試作大成功で始末書を書かされた話を以前この欄で紹介している。


ホスファゼンに含有されるリンは、リン酸エステル系難燃剤に含まれるリンよりも40%ほど高い難燃効果を発揮したことがデータサイエンスで明らかになった。


しかし、この結果についても科学的に証明するように指導を受けている。ASTM燃焼試験を行っているときに、ガスクロマトグラフィーを傍らに置き、燃焼中に発生しているガス分析を行っている。


その結果、リン酸セステル系難燃剤では必ず燃焼している炎の中にオルソリン酸が含まれるが、ホスファゼンでは燃焼ガスの中に含リン化合物が検出されなかった。


それだけではない。燃焼面の分析を行ってもリン酸エステル系難燃剤ではトレース程度のリン化合物が検出されただけだが、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームでは明確にリン含有化合物が検出された。


さらに、サンプルを600℃で熱処理したところ、リン酸エステル系難燃剤添加系ではリン化合物の痕跡さえ残っていなかったが、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームではP=Nの吸収がIRで確認された。


その他、科学的データを収集して演繹的に仮説を立案し工場試作を行っているが、当時当方は新入社員であり、工場試作を進めたのは、上司だった。しかし、始末書を書かされている。データサイエンス無情話その3

カテゴリー : 一般

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