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2014.02/15 パーコレーション転移(6)

導電性微粒子と絶縁体バインダーで生じるパーコレーション転移の観察あるいは評価には体積固有抵抗や表面比抵抗が直流で測定される。ところがこの時観察されるパーコレーション転移の閾値はシャープに現れない。原因は、微粒子間の接触抵抗その他の要因をうまく計測できていないためである。

 

閾値を見積もりたいときに、交流で測定されるインピーダンスを用いると良い。それも100Hz以下の領域の値である。50-60Hzあたりはノイズが乗りやすいので避けた方が良いが、この低周波数領域のインピーダンスを計測すると閾値を直流の場合よりも見積もりやすい。

 

交流では、材料のコンデンサー成分を計測可能で閾値近辺の変化を観察しやすいが、直流では抵抗成分のみしか計測できないので導電性微粒子間の距離の変化を検出できないためこのような違いとなる。

 

実際に抵抗成分と容量成分のモデルを組み立て、抵抗成分が増加するコンピューター実験を行うとこのあたりの変化をシミュレートできる。すなわち、このようなモデルで低周波数領域から高周波数領域までインピーダンスの周波数分散を求めると現実の材料のようなインピーダンスが周波数に依存したグラフが得られる。

 

そして抵抗成分を小さくしてゆくと低周波数領域で大きな異常分散が生じる。このシミュレーション結果から導電性が向上すると低周波数領域におけるインピーダンスが増加する理由を理解できる。

 

インピーダンスは交流で測定される抵抗である。ゆえに導電性が向上すると大きくなる、という現象は、驚くべきことである。よく考えれば科学的に説明がつく現象であるが教科書で学んだ知識のために現象に遭遇したときに最初はびっくりする。

 

このような現象は特許ネタにもなる。いくつかこのような現象を用いて特許を書いたがその幾つかが容易に成立したのには驚いた。異義申し立てが無かったのである。フィルムに帯電防止層を形成している場合にこの特許に皆ひっかかっているはずである。

 

カテゴリー : 一般 連載 電気/電子材料 高分子

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