2015.03/29 元官僚古賀氏の騒動
古館氏がキャスターを務める番組で最後の挨拶をした元官僚古賀氏の言動が、ちょっとした騒動になっている。詳細はインターネットで配信されているニュースを見ていただきたいが、その後のご本人の「自分にはメリットの無い発言であり」と語られた言葉から、意図的かつ計画的に番組内で発言されたことがわかる。
この古賀氏の言動には賛否両論があると思われるが、日本が改めて素晴らしく自由な国家であることを理解できた事件である。古賀氏の発言内容に対して、官邸から圧力があった、というのは事実だろうと思われるし、その圧力に放送関係者がどのように対応したのかまでも公衆に暴露された。ここで古賀氏までも黙ってしまっていたなら、言論の自由とは何かという問題になる。
ところで、古賀氏がNHKで活動していたならこの行動は問題かもしれないが、これは民放での出来事である。これで古館氏も共感して番組を下されていたならば、もっと事件は面白く展開し、古館氏の「株」も上がったのかもしれない。しかし、所詮古館氏は古賀氏と異なる芸能界で飯を食べている人で、威勢のいいことを言っていても、そろばんをはじいて長いものに巻かれる立場である。古館氏の人柄についても古賀氏は暴露してしまった。そして番組を壊してしまった。
古賀氏が将来の日本の展望をどのように考え、今回の行動をとられたのか知らないが、もしこれが単にその時の感情に基づく行動だったなら大人げないし、国民は今回の出来事を無視してもよいかもしれない。しかし、もし古賀氏が将来の日本のビジョンを描いており、そのうえで現政権批判を行っていたならば、国民は注目すべきである。
現在の政治は、バブル崩壊後の20年間の停滞から再浮上するきっかけを作りつつあり、アベノミクスとして歓迎されている。しかしその一方で株価含めた経済の動きは、バブル期を彷彿とさせるものがある。人間とは愚かなもので調子に乗ると同じ過ちを繰り返す動物である。しかし、言論の自由が保障された国では、その過ちを繰り返さないように警告を発してくれる人が現れる。
古賀氏は官僚時代に日本のシナリオ作成に携わった経験のある人であり、今回の言動が信念に基づくものであれば、その後の行動は注目するに値する。ニュースを読む限り、古賀氏の今回の言動に対する評価は難しい。今後の彼の行動で今回の騒動について正しい評価がなされるものと思われる。
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