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2016.11/06 ピコ太郎の面白さ

11月15日に開催される問題解決法のセミナー( https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116 )については弊社へお申し込み頂ければ割引価格で受講可能ですが、このセミナーの内容について少し紹介する。
 
金曜日のミュージックステーションにピコ太郎が出演し、「PPAP」のロングバージョンが披露された。このロングバージョンもすばらしい芸だった。今ピコ太郎の面白さについてネットで議論されている。様々な意見が飛び出しているが、芸としての秀逸さは誰もが指摘している。
 
今の日本では熟成された芸をTVでは見ることができなくなったので、ピコ太郎の優れた芸は大受けの要素として重要である。しかし、いくら熟練し優れた芸であっても面白くなければここまでヒットしない。さらに、これだけの理由でもって世界でヒットしている現象を説明できない。
 
また、他の面白くない日本のお笑い芸人が、芸を磨いたらピコ太郎のようにヒットするのかと言えば、そのように思えない。「英語」で演じられていることと、「人間のイメージを刺激する」「テンポのよい展開」、そして「言葉の面白さ」すべてが揃っている点がヒットの原因ではないかと推定している。
 
その中で、「人間のイメージを刺激」している要素について。PPAPは動作が極めて単純な構成であり、さらにそれが表している内容が論理的であるがゆえにリズムに合わせて湧き出るイメージを世界中のだれもが共有化できるのではないか。そして、そこに言葉遊びが加わりオチを形成している。オチは英語の早口言葉だ。
 
「アップル」に「ペン」を組み合わせて「アップルペン」ならば、「パイナップル」に「ペン」を組み合わせると「パイナップルペン」であることは誰にでも理解できる。そして、オチは両手でそれを持ち、対等に組み合わせたら、「ペンパイナップルアップルペン」と呼ばなければならない。頭文字で表現すると「PPAP」である。
 
実はこの手法はライバルから新たな特許出願があった時に、その対抗特許のアイデアを出す手法でもある。AとBの組み合わせ発明に対して、AとCの組み合わせ発明で対抗するのだが、同一機能を実現するためには、BとCに全く別物をもってくると実現が難しい。しかし、改良特許とするためには、新規性が必要である。
 
アップルとパイナップルは両者は果物であると同時にアップルという要素をもった別物だ。これで新規性を実現できる。進歩性は、アップルには無いとげとげである。さらにライバル技術と新たな技術との組み合わせを考察して、ライバル技術の包囲網を完成させる、という手法である。
 
これはこじつけではない。新しいアイデアを捻り出そうとする時に何も無いところから考えると難しいが、適当なお手本の真似ならば誰でもできる。お手本を真似たアイデアだけでは、面白くないので、お手本と自分のアイデアとをさらに組み合わせて融合し新たなアイデアを創ってみたら面白いアイデアになった、というのである。これも問題解決の一手法である。

カテゴリー : 一般

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