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2016.11/19 ドラッカーの問題解決法

問題解決に関してドラッカーは著書の中で様々な表現でそのポイントを述べているが、残念ながら問題が設定された後の具体的な解決メソッドについては、まず「問題の理解」に全力をあげるようにとのアドバイスを述べているだけである。
 
ただし、問題設定までについては、「何が問題か」と問うことの重要性を様々な表現で述べている。すなわち問題解決法の前に、問題設定が極めて重要であり、「間違った問題の正しい答えほど役に立たないものはない」と大変わかりやすい表現をしている。
 
これは、いくら正しい問題解決法を適用し正しい答えを導いたとしても、問題そのものが間違っていたとしたら、そこから得られた正しい答えに対しどのような評価をしたらよいのか、と言っているのである。
 
例えば福島原発の状況は、果たして正しい問題設定がなされているのか疑問を持ちたくなる展開である。凍土壁などはその最たる例で、科学者の夢物語をそのまま実行してしまった。実務に長けた人ならばすぐにダメだとわかっていた。多少お金がかかっても周囲に止水板を作ったほうが確実だった。
 
増加していく水タンクを今後どのように処理してゆくのだろうか。5年経過して早くも老朽化が起きているタンクもあり、水漏れしているという。頭の良い人がしばしば成果をあげられない、とドラッカーは述べている。頭の良い人は正しく問題を解くが、正しい問題設定ができないことを言っている。
 
ドラッカーは問題を解く前段階について様々な名言を残しており、そもそも問題設定の前の仕事選択のルールとして、問題よりも機会を選択するように指摘している。すなわちあれこれ問題を考える前に機会についてまずよく考えることが大切である。そして問題解決に当たらなければいけない時に、その作業に入る、すなわち、機会や状況により何もしない、という意思決定もあるのだ。
 
 
 

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