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2016.11/21 ドラッカーは古いか?

かつてバブルがはじけた時に、ドラッカーはもう古い、ということが言われた。今あまりドラッカーは読まれていないようだ。2005年、ちょうど当方が単身赴任をしたころ、ドラッカーのちょっとしたブームがあった。すなわちドラッカー本が書店にたくさん並んだのだ。
 
2005年11月にドラッカーが亡くなったためだが、その時並んでいた書籍は自然に書店からフェードアウトしていった。今町の書店には、おいていないところもある。先日近所の本屋にいったところ、ドラッカーの本ではないがブルーオーシャン戦略の最新版が並んでいた。
 
店主に聞いたら売れ残り品だという。過去に出版された続編だったが、たまたま茨城まで出かけるところだったので、暇つぶしに買ってみた。しかしがっかりした。これに対して、ドラッカーの著書は、今読んでもその内容が色あせてなく、むしろ今の時代を書いている様な本もある。
 
例えば、高校生の頃読んだ「断絶の時代」など過重労働の問題を考える時の参考になる。ドラッカー本は決して古くなく、むしろ今の日本では旬な本かもしれない。彼が考察して書いた内容は、知識労働者の時代の到来やグローバル化、高齢化社会を扱ったテーマが多い。グローバル化や高齢化社会が直接表現されていなくてもそこで考察されている内容は、まさに今の時代に起きている問題解決に役立つ提言が多い。
 
ドラッカーをマネジメントの発明者という人がいるが、それは間違っている。彼の著書にもマネジメントと言うものが、彼が活躍した時代以前に存在したことを述べている。彼はマネジメントについて「あるべき姿」を明確にしたのである。そしてマネジメントの問題を設定し、それらを解こうと努力していた。
 
ドラッカーの著作が難解と言われる理由は、問題解決の思索になっているからだ。
 
しかし、彼の遺作を読むと解るが、彼は正解を出していないのである。これからの時代について彼は「歴史が見たことの無い時代が始まる」と述べている。早い話が、これからの時代について、自分にもようわからん、と言っているのである。しかしわからない、すなわち不確実な中にも確実なことがあり、それらにより引き起こされる問題をまずかたずけていかなければいけないと指摘している。
 
ドラッカーは決して古くはなく、まさに読むなら今でしょ、と思う。これは少し古い表現。
 

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