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2016.12/20 専門とは、研究とは(7)

相対的貧困とかワーキングプアとか最近貧乏が話題である。そして高学歴が経済的な価値を失った、という論調もある。しかし、生涯賃金を上げるために学歴が重要な意味を持っている、という意見には、昔から当方は反対していた。

 

理由は亡父が小学校卒で警察官を勤め上げ、年金まで含めると生涯賃金の観点で当方よりも高額を得ていたからである。とっくの昔に生涯賃金における学歴の効用は無くなっていた。

 

もちろん亡父は秋の叙勲の栄誉もうけており、警察官として異例の出世をしている。だから大学進学の時から学歴と仕事に対して世間とは異なる考え方をしてきた。人生一番大切なのは学歴ではなく自己実現の目標設定とその実現のための努力だろう。

 

物心ついたときから亡父の勉強熱心な姿には敬服していた。古文も含めた国語の大学入試問題集でその実力を比較すると亡父は当方よりも上だった。国語だけであれば、最難関の大学でも合格できる実力を亡父は持っていた。亡父の学歴を思うとき、生涯の自己実現努力が如何に大切かが理解できた。

 

専門教育や研究の方法については、大学で学んだ方が効率が良いが、最近は大学も一般に開かれているので、わざわざ高校を卒業してすぐに大学へ進学する必要もないと思っている。

 

世間には若い優秀な人材を必要としている中小企業は多く、大学に進学せず、中小企業に就職してから自分の専門とすべき方向を見極め、就労しながら勉強する方法もある。お茶やお花の免許取得と同じような感覚で大学進学してはいけない時代である。

 

もし大卒の肩書きが必要であれば社会に出てから学位を取得すれば良い。当方も博士を目標に社会に出てから学位を取得している。奨学金の問題も重要だが、高卒で社会に出る、という考え方も見直しても良いのではないか。

 

マスコミは学歴が無ければ就職の機会も無い、と進学熱を煽っているが、高卒で就職できるところに就職すべきである。警察官にあこがれていた亡父もスタートは地方の郵便局だった、と生前話してくれた。

カテゴリー : 一般

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