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2017.03/13 パーコレーションと複合材料(1)

PPS中間転写ベルトの高次構造の話を先週書いていたら、パーコレーションの理解が重要であることに気がついた。パーコレーション転移については、数学者によりかなり昔から研究されていた内容だが、複合材料の世界ではその現象を混合則で1980年代頃まで議論していた。


当方が日本化学会で酸化スズゾルのパーコレーション転移に関する研究を1990年代に発表しても同じセッションで混合則を用いた現象の考察がされていたような状況だった。


まず、混練機などを用いてフィラーを高分子材料に分散するとどのような現象が起きるのか簡単に説明すると、フィラーと高分子材料との間で相互作用が全く働かなければ、フィラーは高分子材料に統計的に分散して行く。教科書には分散混合と分配混合で分散が進行すると説明しているが、ここでは現象を簡単にとらえて説明する。


フィラーの添加量が少なければ、フィラーは凝集することなく高分子材料にばらばらに分散する。今フィラーが真球だとすると、30vol%前後添加された段階で、フィラーどおしの接触(凝集)がどこかで起きやすくなる。


これが60vol%前後になるともはや凝集を全く起こさずに分散することは難しくなり、必ず凝集ができる。このフィラーどおしがくっついた状態をクラスターと呼ぶ。


このクラスターの生成する現象について科学的に論じようとしたのがパーコレーションの理論である。パーコレーションの問題は材料の世界だけでなく、例えば山火事でも問題になり、数学者は山火事の問題を議論していて、抵抗変化などもその議論の中に組み入れていったらしい。


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カテゴリー : 一般 高分子

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