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2017.12/04 ドラッカーの遺言(1)

ドラッカーには多数の遺作があるが、それらを知識労働者の働き方のバイブルとして読むことが可能である。もともと知識労働者という言葉を用いたのはドラッカーが最初であるが、彼の著作に知識労働者という言葉が登場していなくとも、その中身はやはり知識労働者の働き方のバイブルである。

 

また、彼の著作に一貫しているのが、誠実かつ真摯なリーダー像である。誠実とは、私利私欲をまじえず真心をもって人や物事に対することであり、真摯とはまじめで熱心なことである。

 

政界や企業のリーダーに誠実かつ真摯な態度ではないリーダーがいつの時代にもいた。最近は、文春砲にみられるようにマスコミが積極的に取り上げるので、社会の問題は誠実で真摯なリーダー不在の問題ではないかと思いたくなる。

 

例えば森友学園問題における官僚リーダーたちの答弁を聞いていると、誠実とか真摯とかではなく犯罪を犯したのではないか、とも捉えられるシーンが登場している。大切な議事録を残していないのは、まさに日本の政治史における隠蔽工作である。

 

また、日馬富士問題では、相撲協会の力士たちに対するリーダーシップが問題視されている。負けても土俵下で駄々をこねた白鵬は、冬の巡業でも貴乃花が担当するなら参加しない、などと言い出して、それを相撲協会は認めてしまった。

 

一方貴乃花に対する厳しい意見も聞こえてくる。確かに彼は組織人としてみたときにその行動に問題があった。しかし、日馬富士の暴力に対して毅然とした態度で真摯に対応した行動は、組織として腐っている相撲協会にあってその立て直しができるのは彼以外にいない、と思わせる。

カテゴリー : 一般 連載

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