2020.12/21 パーコレーションのモデル
スタウファーの教科書は難解である。すなわちパーコレーションの数学モデルを材料屋が理解しようとすると、それなりに覚悟を決めたあるいは気合が必要な努力をしなければいけない。
数学の知識が相当量ないと理解できない。しかし、わからなくても必死で理解できるようにこの本を読むとこうした現象をどのように理解するのか、形式知として身に着く。
また、数学という材料屋ならばそれを知らなくても技術者をやっていける分野について、他の技術者と差別化できるそれなりの実力を身に着けることができる。
また、今回のコロナ禍を図らずもこの時の努力により正しい恐怖として受け止めることができた。またテレビを通じて訳者の小田垣先生にもお会いすることができた。
スタウファーの教科書を読んでいなかった人には小田垣先生は為五郎に見えたかもしれないが、あの先生は真面目に警告を伝えていた。しかし、あまりにも説明が学者過ぎて、一般にはうまく伝わらなかった。
パーコレーションの数学モデルはそのくらい難解であり、1950年代に数学者が議論していても材料屋がそれを受け入れるには40年の時間がかかっている。それまで直感的な混合則で議論ができてしまったことも問題であるが。
形式知にはこのような側面があることも知っておくべきである。すなわち科学的と信じている形式知の中には、好ましくない(間違っていると言っても良いような)形式知も潜んでいる。
間違っていないとしても技術者をミスリードするような形式知が存在する。そのような形式知で、当たり前のアイデアを考え、日々技術開発をやっていては、科学が誕生して急速な技術開発の進歩を今後も続けられない。
ここで一つ、難解な現象を前にした技術者にアイデアを練る良い方法をこっそりと教える。コンピューターを使うのである。すなわちコンピューターでプログラムを動作させて目の前の現象をシミュレートするのだ。
オブジェクト指向の言語であれば、難解な数学を理解するよりも早く身に着けることが可能だ。パーコレーションのモデルでも数学的に解くと難解だが、微粒子の分散を簡単なモデリングによりコンピューターでシミュレーションすると容易に現象を理解でき、アイデアを練り上げることが可能となる。
ゴム会社で指導社員にあって以来、世の中にはものすごく頭の良い人がいることを知った。現象を見たときにそれを数学モデルとして表現できるのである。すなわち日本人が英会話をぺらぺらしゃべるようなものだ。
英会話なら、アメリカ人の子供もペラペラしゃべるので例えとしてよくないが、科学の世界における数学は外国語の様な現象を記述する言語である。コンピューターの登場により、技術者はもう一つ現象を記述できる手段を手にいれることができた。
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