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2022.07/07 タグチメソッドによる実験

小学校から現象を観察する科学の姿勢を学ぶ。また、義務教育における理科実験において、仮説を設定してその仮説が正しいかどうか確認する実験の方法を学ぶ。


理系の専門を極めるために理系の大学教育を目指してみても、そこで指導される実験の方法は、仮説設定してその真偽を確認する方法だけである。


ところが、タグチメソッドで行う実験は、このような科学の方法ではない。基本機能のロバストを確認するために実験を行う必要があるのだが、まず、そこで多くの人はつまずく。


そのための実験計画立案に慣れたなら、現象観察の姿勢も機能の動作確認を行う姿勢に切り替える。これは難しくないはずである。


視点を真偽という2点ではなく、ノイズ存在下の信号因子に対して機能がどのように変化するのかを観察するだけであり、科学でも仮説の内容により、信号因子の設定を行う場合があるからだ。


ただし、科学の実験と大いに異なる点は、市場で起きることを想定したノイズをタグチメソッドでは積極的に導入した実験を行う。これに対し、科学では仮説の内容が再現されやすいように条件を実験者の管理下に置いて行わなければならない。


科学のこの方法ゆえに、イムレラカトシュは科学的に完璧な方法は否定証明だけであると述べている。タグチメソッドが難しい方法であるとイムレラカトシュは述べているわけではないが、この言葉はそれを暗示している。


田口先生は、基本機能の設定は技術者の責任、と常々語っていた。すなわちタグチメソッドの実験で動作が機能しないような実験を行ってしまうのは、技術者の設定した基本機能が「ダメ」だからである。

カテゴリー : 一般

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