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2022.10/05 データサイエンスを学ぶ意味

昨日現代のAIがプログラミングされたものであることを書いた。そして現在話題となっている深層学習(ディープラーニング)は、無料提供されているPythonの豊富なモジュールの存在ゆえにブームとなっている。


深層学習はじめ機械学習にデータサイエンスの知識は欠かせないが、豊富な無料モジュールのおかげで誰でも容易にデータサイエンスできる。ところが、このデータサイエンスの知識を正しく習得すると実験のやり方が変わる。


20世紀における研究開発では、科学に基づく実験のやり方が推奨された。1979年にゴム会社研究所に配属された小生は、タイヤ部門で使われ始めたデータサイエンスの手法を研究所で積極的に使っていたら周囲から非科学的と批判されることになる。


FDを壊されるなど異常事態になったので、住友金属工業との高純度SiC半導体治工具事業がJVとして立ち上がった1991年にセラミックスのキャリアを捨て、写真会社へ転職している。ちょうどそのころ故田口玄一先生が日本でタグチメソッドの普及に力を入れておられた時である。


写真会社でタグチメソッドを導入することになり、田口先生から3年間直接ご指導を受ける機会に恵まれた。そして、タグチメソッドは統計手法ではなく、また科学とは異なる研究開発手法であることを田口先生との議論から学んでいる。


ゴム会社では、多変量解析やシミュレーション技術をどのように研究開発に生かすのか研究してきたが、タグチメソッドに出会い、これらの体系を整えることができた。


すなわち、データサイエンスについて学ぶと科学とは異なる実験方法、すなわち機能を中心とした実験方法を行えるようになる。これは科学とは異なる視点の実験が可能となることを意味し、一番重要なポイントは否定証明をしなくなるということである。


イムレラカトシュが「方法の擁護」で指摘しているように、科学の方法に忠実になると完璧な否定証明を目指すことになる。STAP細胞の騒動が起きたときに理研では否定証明を行っているが、その後ドイツでSTAP現象が再発見されている。


企業の研究開発を科学の方法だけで進めるとモノができない、と一部で言われていた理由はこの否定証明の存在ゆえだが、データサイエンスを学ぶとその方法と異なる視点、すなわちロバストの高い機能を実現しようと実験するので、必ずモノができる研究開発を行うことができる。


燃焼時の熱でガラスを生成させてポリウレタンを難燃化する技術や、その技術を発展させたフェノール樹脂天井材の開発、高純度SiCの半導体治工具事業、電気粘性流体の耐久性改良、高性能電気粘性流体用傾斜機能粉体などゴム会社における技術開発をすべて成功させることができたのは、データサイエンスに基づく実験方法のおかげである。また、写真会社ではタグチメソッドにより多数の成果をあげることができたが、パーコレーションのシミュレーションを発展させたWパーコレーションの考え方による半導体無端ベルトの開発やリサイクルPETボトルを活用した再生樹脂は、科学の実験方法では生み出せない技術である。

カテゴリー : 一般

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