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2022.10/07 データサイエンスと技術者のスキル(3)

ホスファゼン変性軟質ポリウレタンフォームの工場試作に成功した時に高分子の難燃性を支配している因子について配合データと難燃性データから多変量解析を用いてい整理している。


その時に、残渣分析結果からホスファゼンが他のリン系化合物と異なる難燃化挙動をとっていることがあぶりだされた。


これは重回帰分析の結果だが、そこで実際にポリウレタンフォームの燃焼後の残渣を分析したところ、ホスファゼンで変性されたポリウレタンフォームの燃焼後の残渣だけにリン成分が見出された。


さらに驚くべき結果はP=N骨格が残っていたのだ。他のリン系難燃剤でリンが0.2%以上残っているサンプルを見出すことができなかった。0.2%という数値は分析限界から得られた数値なので、燃焼後にリン成分が残っていないと考えてもよさそうだ、という結論を当時出している。


このようなことは単相関のグラフからでも導くことが可能だが、他の難燃性の機能を付与する成分とどの程度異なるのかは、多変量解析では一発で得られるので、問題を考えるときにアイデアに結びつきやすい。


この時すぐに燃焼時に無機高分子を生成するリン化合物で難燃化機能を設計すればホスファゼン同様の高い難燃効果が得られる、というアイデアまでたどり着いている。


そして、ホウ酸エステルとリン酸エステルとを組み合わせて燃焼時の熱でガラスを生成して高分子を難燃化する手法のアイデアを企画としてまとめている。


この企画の実験では、動的に燃焼状態を観察するための工夫をいろいろ行い、一般のリン酸エステル系難燃剤では燃焼時にオルソリン酸が生成して系外へリン単位が揮発している現象が「科学的に」見出されている。

カテゴリー : 一般

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