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2022.10/21 MIに対する誤解(1)

MI(マテリアルインフォマティクス)を真剣に研究されている方もおられるので書きにくいが、当方の材料開発経験から、MIの問題を学んでいただきたい。


新入社員の時に1年間の予定で与えられたテーマを3か月で仕上げ、某社のエンジンマウントに採用が決まるという成果を出した体験談を書く。


このテーマは当方の材料開発人生に大きな影響を与えたテーマであり、データ駆動の実験という科学の方法とは異なる手法を学んだ重要なテーマだった。


当方が優秀だったのではなく指導社員が粘弾性の神様と称しても良いようなレオロジストであり、混練技術者だったおかげである。ただし、所属していたのがアカデミアよりもアカデミックな研究所だったので彼は技術者の顔を隠して仕事をされていた。


さて、樹脂補強ゴムとは、加硫ゴムでは限界のあったゴム物性の問題を解決した新素材である。今ならば、二軸混練機を用いた動的加硫によるTPEが相当するが、いかなるTPEよりも物性が優れた樹脂とゴムの複合材料だった。


この優れた物性は、絶対に二軸混練機では到達できないレベルであり、バンバリーとロールによる混練と金型内における加硫というプロセスで初めて実現できた。


同一処方の加硫ゴムの配合を二軸混練機でプロセシングしても性能の良い樹脂補強ゴムとはならない。バンバリーとロール混練で、さらにロール混練もある条件で行われた時のみ優れた物性となった。


まず、このような材料をMIにより予測することなど難しいだろうし、シミュレーションでも難しいだろう。実際に指導社員もバネとダッシュポットのモデルで物性のシミュレーションを行っているが、それは材料の目標であり、どのように材料を創造するか(How to)までシミュレーションは教えてくれなかった。


(注)弊社では、無機材料から有機材料まで豊富な材料開発の経験からHOW TOを見つけ出す手法までご指導しております。


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