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2022.10/24 MIに対する誤解(3)

汎用ゴムの混練ではほとんど影響しない作業手順が、樹脂補強ゴムではその物性に影響を与える手順が存在した。この体験は、高分子材料を仕事としてスタートした新入社員にとって重要な経験となった。


この経験がきっかけとなり30年後にカオス混合装置を発明することになるのだが、この指導社員無くしてカオス混合装置は生まれなかったと思う。また彼は、この科学で理解しにくい現象について当方に学んでほしかった、と独自の仮説とカオス混合の存在を教えてくださった。


この学びの成果は大きく、1年の予定のテーマを3か月で仕上げる原動力となった。しかし、そもそも3か月でできるようなテーマを何故1年間のテーマとしたのか。


それは指導社員が開発していた樹脂補強ゴムはベスト配合ではなかったからだ。それを指導社員は気づいており、配合とプロセシングの最適化を行う必要から1年という開発期間を設定している。


そして指導社員は1年間の報告書の内容をすでに用意していた。その報告書を見せられた当方は、単なる混練の作業者として仕事をすればよい状態か、と指導社員に不満を述べている。


指導社員は、データ駆動の実験法で短期間に成果を出す方法もある、と教えてくれた。すなわち1年間の計画は、科学的方法で進める計画だったが、データ駆動の実験を行えば1か月でできるだろうと。そして当方は実際に短期間に樹脂補強ゴムを開発できて耐久実験まで完了している。


この実話から、シミュレーションとは何か、デ ータサイエンスとは何かを考える毎日となった。ちなみに指導社員は物理が専門で化学は専門外の方だった。


(注)3か月で仕上げて評価されるのかと思っていたら、業務は科学の成果では無いと評価されず職場異動となった。樹脂補強ゴムの配合技術は後工程の防振ゴム事業部隊へ移管され、技術テーマとして推進され某自動車のエンジンマウントとして実用化された。当方はポリウレタン難燃化技術を研究しているグループへ異動となった。指導社員は新たなテーマ企画が業務となった。研究所ではモノを作ることよりも研究成果が求められていた。新入社員のタイヤ軽量化という研修テーマではデータサイエンスで軽量化到達推定値を求め軽量タイヤを指導社員が試作したところCTOからその発表会で「大馬鹿もの(研究成果であって技術成果ではない)」と叱られ、研究所では技術であって科学ではないと評価されず、頭が混乱するような社会人スタートとなった。また、半年の新入社員研修を終えた配属日に転職した友人がいた。彼とは同部屋であり、退職願を提出する前日の夜、転職理由が科学技術のない会社だったので科学技術について話し合った。1980年代は科学論がブームになり始めた時で多数の著書が発売されていた。イムレラカトシュ「科学の方法」は、その科学論に影響をあたえた専門書であり、アメリカではトランスサイエンスという言葉が誕生している。


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