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2022.10/26 トヨタEV戦略見直し論

表題のタイトルは今週の話題の上位に必ずなると思われるので本日少し私見を述べてみたい。


高分子の環境問題に関するセミナーについてこの4年ほど講師として呼ばれる機会が多いが、そこでトヨタの電気自動車に対する対応がホンダと大きく異なる点を毎度指摘している。


4年前はトヨタは全く電気自動車への関心がないようだったが、2年ほど前から急激に電気自動車へ舵を切ってきたように思われる。そして昨年末の発表に至った。


しかし、まだ一年もたっていないのに、昨年末に発表したEV戦略の見直しが記事になっているのだ。これは4年間連続して自動車業界を観察していないと理解できない。


日本で最も早くEV商品化をしたのは技術のニッサン自動車だが、ホンダとトヨタのようにこの2年間あまり注目されていない。しかし、日産の自動車ラインアップ(注)を見れば着実に独自戦略を進めている。


極端な動きのホンダであり、慎重な対応のトヨタという位置づけである。トヨタはEVについてサブスクで展開する計画を立てているが、今回それも見直しを進めるのかもしれない。しかし、トヨタの話はもっと大きくシャシー含め自動車全体の開発計画を見直すというのだ。


それほど世界は急激にEV化の方向に動いている。中国では日本の軽自動車並みの価格のEVが既に商品化され、それが着実に世界で売れ始めた。


トヨタは既存の自動車ラインでEVを生産する予定でいたらしいが、生産ラインの専用化を検討しているという。すなわちコストを下げない限り2026年から始まるEV競争に負けてしまうのだ。


今回のニュースは、恐らく昨年末までトヨタ社内で意見が分かれていたEV車戦略についてまとまったのでそれが発表された結果のことではないかと推測している。


すなわちニュースで取り上げられているような大騒ぎではなく、意外にも社内のベクトルが揃った結果かもしれないと当方は想像している。


トヨタぐらいの規模の会社になると開発担当者のベクトルを揃えるのは大変である。昨年末は、それが十分にそろっていない段階で株主の圧力に押された形の発表だったのではないか。


一部のニュースで騒がれているクラウンのEV化取りやめは大したニュースではない。クラウンはもともと日本向け専用車である。グローバル展開されているレクサスのEV化変更についてはアナウンスは無い。


すなわち、現在のカテゴリーである車とは異なるカテゴリーでEVをとらえ、生産ラインも含め専用設計に本格的に乗り出す、とアナウンスしているだけではないか。昨年末まではそこを明確に打ち出していなかっただけと想像している。


(注)オーラはノートの派生車種であるが、サイズが少し異なる。これがデザイン上のことかと思っていたら、ボディー内側の奇妙な位置に使われていない穴がいくつか空いている。おそらく、オーラはこのまま電気自動車に作り替えることができるのではないか。ePowerのエンジンを取り外し、電池を搭載することは難しくない変更である。

カテゴリー : 一般

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