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2023.02/11 高純度SiCのコストダウン(2)

フェノール樹脂とエチルシリケートとを混合するとうまく均一に混ざらない。これはフローリー・ハギンズ理論から自明である。


格子理論をここで説明するつもりはないが、χが十分大きくなる組み合わせでは、リアクティブブレンド以外均一状態にすることは不可能だ。


エチルシリケートの代わりに高純度石英を使用したり、フェノール樹脂の代わりに高純度炭素を用いる研究も当時行われている。しかし、工業的に成功したのはフェノール樹脂とポリエチルシリケートとのリアクティブブレンドだけだ。


理由は前駆体として安定にSiCを製造できるからである。それでは他の方法が工業的に使われなかったのはなぜか、と言う疑問が出てくる。うまくやればラボスケールならば問題は生じないが量産になるとある問題が発生する。


それについても40年以上前に問題解決されており、イビデンのSiCはその手法により製造されている。ゆえにフェノール樹脂とエチルシリケートの前駆体法では、どちらかを固体に用いて高純度SiCを量産できそうに見える。


詳細は弊社に相談していただきたいが、石英が不純物として残るのである。また、量産時にはウィスカーが製造される問題もでてくる。


中部大学で審査を受けた学位論文でポリエチルシリケートとフェノール樹脂のリアクティブブレンドにより合成された前駆体の反応速度論的研究を公開している。中部大学か国会図書館にでもいけば閲覧可能だ。


しかし、弊社にご相談いただければ、学術の背景だけでなく調達の問題までご指導いたします。技術開発において、調達戦略はコストに大きく影響します。

カテゴリー : 一般

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