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2023.08/28 高分子材料技術者育成の難しさ

当方はセラミックスから金属、高分子材料まですべての材料を製品設計の立場から扱った経験知がある。また、セラミックスでは、高純度SiCの半導体治工具技術が日本化学会技術賞を受賞している。


高分子材料については、帯電防止技術が印刷学会技術賞と日本化学工業会から技術特別賞、高靭性ゼラチン開発に対して写真学会ゼラチン賞を受賞している。


すなわち、当方の開発した技術が高分子からセラミックスまでそれぞれの代表的な学会から何らかの受賞経験があるので、セラミックスから高分子まですべての材料の経験知と形式知がある、と自己紹介しても許されるだろう。


その経験から高分子材料はセラミックスや金属と比較して難しい材料である、と指摘したい。セラミックスや金属では、まず結晶を理解できれば、材料技術者としての一応の基礎ができる、と思うが、高分子材料では、一次構造を理解しただけでは、「像は鼻が長い動物」と言う程度の理解レベルである。


すなわち、その程度の理解では、高分子製品で品質問題が起きた時にどこから対応したらよいのかわからず、右往左往することになる。当方ならばどのような品質問題でもおおよその見積もりができる。


社会に出てきたばかりの技術者を育成し、当方のレベルまで到達するためには、一日3時間の座学で2か月必要である。なぜこれだけの時間が必要なのか。それは高分子の体系が形式知でできていないためである。


セラミックスや金属ではブラベイ格子を基準に材料の結晶について理解の仕方を身につければ、難しいのはアモルファスのガラスだけとなる。ゆえに基礎となる形式知の体系が明確なのでその上に技術の体系を築くことは容易となる(勉強するコツが存在するが—-)

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