活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2023.10/15 藤井8冠の勝ち方

彼の師匠によると、彼は積極的にリスクをとる指し方だという。抜群の読みの力と自分を信じる力とでなせる技だが、昨日書いたように彼はこれまでの棋士とは異なる思考と指し方をするようだ。


これまでの棋士は、それぞれのアプローチがあるにせよ皆「安全にやろう」という指し方をするが、彼は危険な順から読み進めるという。


すなわち、これは多くの棋士とは真逆の発想をしていることを表現している。当方はゴム会社に入社し、ハラスメントを受けるようになって、次第に仕事のやり方を変えていった。


ゴム会社の研究所の最も嫌な風習は、テーマの奪い合いだった。成果が出そうになると自分のテーマとしてしまう、あるいはそれをサポートするようなマネジメントがなされ、組織的にそれが行われたことだ。


ゴム会社なので、レオロジーに関係したテーマを皆が選ぶので、研究所内の各組織がいろいろと異なる看板を掲げてみても、ゴールとなる製品が同じならば、スタートが異なったテーマでも研究が進むとどこかでテーマ内容が一致する問題が出てくる。


そうすると力のある方が、テーマをすべて奪ってしまう、という状態だった。なかよくプロジェクトで行う、というマネジメントがなされていなかった。


だから、当方が電気粘性流体の耐久性問題をたった一晩でデータサイエンスを用いて問題解決した時に騒ぎとなり、主担当していたメンバーは、ハラスメントを仕掛けてきた。


窓際の管理職が当方を応援したものだから、当方はサンドイッチ状態となり大変だった。特許にはその様子が現れており、数件の特許を使ってこのあたりの状況説明をできるほどである。


このような風土だったので、当方はだれも見向きもしないテーマを企画することに努め、高純度SiC半導体治工具事業をJVとして起業していた。ところが当方が転職後、このテーマの取り合いが起きたというから驚いている。


さらには、日本化学会技術賞のような研究者として裏話が公開されたら恥ずかしい問題も起きている。また、これは大学の先生としてどうかと思われる問題となるのだが、SiCの速度論の論文は、実験の企画から研究のまとめまで何も関与していなかった大学の先生が立場を利用して自分をトップネームにし当方に断りなく論文を書いている。当方に知らされたのは論文が出てからである。


勝馬に乗る、という発想は、多くのサラリーマンが行いがちな思考方法だが、研究所ならば、藤井8冠のようにリスクをとった発想を行うように心がけたい。


皆がそれぞれ異なる発想をし、それを尊重するように研鑽努力するような国民性ならば、バブル崩壊後30年もGDPが上がらない、という情けないことにならないはずだ。


土日に限るが、やる気のある技術者には当方のノウハウを廉価に提供しているので問い合わせていただきたい。ご希望のスキルに関係したテーマについて受講生一人でもWEBセミナーを開催します。平日は表示価格で運営しますが、土日は非公開特別価格としていますので、個人でスキルアップを考えている若手技術者は是非問い合わせていただきたい。

カテゴリー : 一般

pagetop